待宵草の薄暮日記

今は趣味三昧の気ままなひとり暮らし。 覚悟をもって毅然と、でも時には誰かのために熱くなる、そんな日々の徒然を綴っています。

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清水三年坂美術館

お天気の怪しい日は美術館へGO! というわけで、前から気になりつつ行く機会のなかった清水三年坂美術館へ。

2016 清水三年坂1

残念ながらこの辺り、私にとっては東山の中でも五条坂に次いでもっとも避けたい観光地。異文化が流入し、目を剥くような光景に出合うこと数知れず。しかしながら、この日は人出も少なくちょっぴり落ち着いた雰囲気。気を好くして歩いていると、うっかり通り越して引き返すほど、小ぢんまりした美術館でした。

2016 清水三年坂美術館

ところが、ひとたび足を踏み入れると、そこは三年坂の喧騒とは別世界。幕末から明治にかけての繊細で洗練された日本の美が凝縮されています。七宝・金工・蒔絵・京薩摩など、とにかく人間技とは思えないほどの超絶技巧に驚嘆。細部の細部をじっくり見てこそ値打ちがある名品ばかりですから、こちらは単眼鏡必携ですね。貸し出しもあるようです。

1階の常設展示室で七宝・金工・漆塗りの解説映像を見てから、2階の企画展示室へ。まるで絵画のような「刺繍(ぬい)と天鵞絨(ビロード)」展開催中。絹糸や金糸が光の角度で幾通りもの表情を見せてくれます。

海外に流出した日本美術に魅せられて、高額な美術品を次々と買い戻し、ついには美術館まで建ててしまったという館長の村田理如氏とはいかなる人物なのかと思っていたら、目の前に。村田製作所の創業者一族のご出身と聞いて、ああ、なるほど。
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| ◆京都 | 13:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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楊谷寺の紫陽花 & 大山崎山荘美術館『野口哲哉展』

梅雨というのに快晴の先週金曜日は、京都西山界隈へ。まずは、名神大山崎ICを降りて真新しい京都縦貫道の側道から、うねうねした山道を上がって楊谷寺へ向かいます。何でも開祖の僧都が、夢のお告げにより柳の生茂る溪谷の岩の上に観音菩薩を見つけたということで、柳谷観音としてお祀りされています。

楊谷寺

山門をくぐり本堂に。残念ながら御開帳日ではないので観音様は拝めません。左の方にまわると、水琴窟や斜面に造られた庭園があり、奥ノ院まで長い登りの回廊が続いています。紫陽花もちらほら。奥ノ院前庭の池には、モリアオガエルの大きな産卵泡がいくつも木の枝にぶら下がっていて、さらに近くの紫陽花の葉っぱの上には本体が

楊谷寺楊谷寺
楊谷寺楊谷寺 

帰りは、現在27種4500株が植えられている参道・あじさいのみちを下っていきます。満開まであと少し。洛中にはないローカルな味わいの、ちょっとひなびたのどかな感じが心地好いお寺でした。6/28(土)・6/29(日)の2日間、『あじさいまつり』が開催されるそうです。

この後、小倉山荘竹生の郷にあるカフェでランチを。ここではデザートをぐっと我慢します。食後は、近くにある京都市洛西竹林公園へ。高台にあるきれいに手入れされた広い庭園で、普段なかなか目にしない珍しい竹が出迎えてくれます。ですが、「ヘビに注意」の看板や苦手な虫のせいで、途中から足が前に進まず早々に退散

京都市洛西竹林公園京都市洛西竹林公園

そして、最後はアサヒビール大山崎山荘美術館へ。駅前のコインパーキングに車を停めて急坂を上ると、美術館に着く頃にはドッと汗が。とりあえず2階のオープンカフェに直行し、コーヒーとケーキから。このロケーションはいつ来ても最高! これだけで来た甲斐があったと思わせる開放的で魅力的な眺望です。

大山崎山荘

汗が引いたら階下の展示室へ。『野口哲哉の武者分類(むしゃぶるい)図鑑』と題された、30代半ばの作家が造る過去と現在が交錯した鎧武者が並んでいて、何とも言えない独特の世界観です。精巧だけれど、五月人形のような職人気質な鎧ではなく、現代的なフィギュアですね。

大山崎山荘

池に浮かぶ睡蓮はまだつぼみ、日差しの眩しいお庭では、紫陽花と共に半夏生が白く色づいていました。

大山崎山荘大山崎山荘

| ◆京都 | 01:42 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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勧修寺の杜若 & 京博『南山城の古寺巡礼』・並河靖之七宝記念館

予報が外れて薄雲が広がる先週の水曜日は、京都・山科にある睡蓮の名所、勧修寺へ。こちらは勧修寺と書いて「かじゅうじ」と読む、醍醐天皇が創建された格式のある門跡寺院。でも周辺の地名は「かんしゅうじ」なんですね。

境内の西側に氷室の池を中心とした勧修寺氷池園と呼ばれる池泉庭園があり、平安時代には毎年1月2日にこの池に張った氷を宮中に献上し、その厚さによって五穀豊穣を占ったと言われているそうです。公開されているのは、この庭園のみ。

勧修寺 勧修寺

門をくぐって進むと、書院の前に水戸光圀公が寄進したと伝えられる灯篭が。その周りを樹齢750年というハイビヤクシンが地面を覆うように低く枝を広げています。池では杜若が見頃とは聞いていましたが、黄菖蒲も咲き揃い、睡蓮も咲き始めていました。

勧修寺勧修寺
勧修寺勧修寺

時々日も射し、青葉が美しい。鷺や鴨、カワセミなど鳥たちも伸び伸び。ここではゆっくり時間が流れているようです。

次に向かったのは、岡崎にある並河靖之七宝記念館。昨年末、京都国立近代美術館で開催された『皇室の名品展』で作品を見て感動、ぜひ春季展に訪れたいと思っていました。

 並河靖之七宝記念館並河靖之七宝記念館

明治時代に万国博覧会などで数多く受賞し、国内外で絶賛された格調高く繊細で優雅な並河七宝は、気の遠くなるような工程を繰り返す有線七宝技法により創りだされています。今回の展示は、下画と小ぶりながら細かな図柄に拡大鏡がほしくなる精緻な作品が中心。

並河靖之七宝記念館      並河靖之七宝記念館

こちらの魅力は作品だけでなく、京町家の建物と、七代目小川治兵衛が手がけた琵琶湖疏水を引いた庭園。池に張り出した応接室でガラス越しにお庭を眺めていると、まるでタイムスリップしたよう。何だかとってもくつろいでしまいます。

そしてこの日最後は、京都国立博物館の特別展覧会『南山城の古寺巡礼』。南山城は京都でありながら、土の匂いがするどこか奈良っぽい風情のお寺が多いところですね。いずれも山に囲まれた仏像の宝庫。奈良国立博物館でお目にかかった仏像も結構あったような。

南山城の古寺巡礼南山城の古寺巡礼
 

このお像は定朝様、あちらは慶派とか、一木造か寄木造かとか、印相は何々とか、聞きかじりの知識を総動員し、勝手解釈しながら鑑賞するのもまた楽し 様々な仏像が立ち並ぶ空間には、静謐な空気が流れています。  

それにしても、海住山寺と酬恩庵(一休寺)の寺宝には惹かれますね。いつか木津川沿いをドライブしながら周辺のお寺巡りをしたいと思いました。

| ◆京都 | 22:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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光の賛歌 印象派展

お花見疲れが抜けない、とある平日の午後。多少なりとも人出は落ち着いたかと思いきや、京都・四条界隈は道往く人で溢れていました。ここ数年はすっかり日本画に傾倒している私ですが、久し振りの西洋画鑑賞へ。

光の賛歌 印象派展

しかしながら、京都文化博物館の展示室に入ると、何となく違和感が・・・ ざわざわしています なぜか絵画を観ながら普通におしゃべりしてます まるでこれは学校の文化祭 そういう人が大勢を占めているので、係の人も注意しません。しかも、展示目録を求めたら、作っていない(!?)とのこと

一挙にテンション下がる中、オバサマ方に交じって一人静かに絵画と対峙するイケメン発見。私も気を取り直し、彼を見習って絵画の世界に浸る努力を。

サブタイトルに『パリ、セーヌ、ノルマンディの水辺をたどる旅』とあるように、陽光揺らめく穏やかな風景画が多数。シスレー、ピサロで始まり、ルノワール、モネと続きます。特に、モネが1982年に2回訪れて100点も制作したという、フランス・プールヴィルの海を描いた作品群に惹かれました。もちろんあの『睡蓮』も。日本贔屓だったというモネの精神性がどことなく表れて、何かしら通じるものがあるからでしょうか。

展示室を出て人混みを離れ一人になると、一緒に来るはずだった人のことを思い浮かべていました。印象派展があるから行こうね、と約束したのは去年の秋。そして寒さが幾分和らいだ3月、展覧会の開催前日に届いた思いがけない訃報。

貴女なら、どんな感想を話してくれたかな。

| ◆京都 | 21:56 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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皇室の名品展 & 生誕100年 佐藤太清展

果たしてこんな気忙しい年の瀬に美術館へ足を運ぶような暇人などいるのだろうかと後ろめたい気持ちで出かけてみれば、意外にも京都国立近代美術館は結構混み合っていました

皇室の名品展  皇室の名品展

今年最後の美術館めぐりは、締め括りに相応しく宮内庁三の丸尚蔵館が所蔵する選りすぐりの近代日本美術と工芸品の数々から。3階の展示室に入ると、明治宮殿の壁クロスや天井が再現されて重厚な雰囲気が漂う中、象嵌・七宝・蒔絵・綴錦などの装飾品がズラリ。そのあと明治期の画壇を賑わせた画家らの日本画へと続きます。(凄すぎて、もう解説不可能

それほどゆっくり観ていたわけでもないのに、気が付けば2時間経過。夢中になっているとホント時間忘れるんですね。ありえないほどの眼福にあずかることができました。

お昼は北野天満宮前のとようけ茶屋で生麩丼と生ゆば丼とねぎ揚げを半分こ。いつもながらお味もコスパも◎ですが、30分も並んだのは想定外。数軒隣の粟餅所・澤屋でお土産を買って三条烏丸に戻ります。亀末廣に立ち寄り、例によって京のよすがを買い求めてから京都文化博物館へ。

生誕100年 佐藤太清展

TVで紹介されているのを見たとき、既に心に響くものがありました。思わずメモして絶対観に行こうと決めていた佐藤太清展です。複雑な絵ではありません。風景や自然の一部をズームアップしています。しかし、そこに描かれた情景と、そこから垣間見える作者の心の機微や心情に胸を打たれるのです。

代表作の一つでもある『かすみ網』は、鮮烈な印象。ここに描かれているのは、様々な鳥たちが網にかかって逆さまになりながら、やがて目をつぶって動かなくなる死を直前にした光景。静かにじっと見つめる画家のまなざしが感じられます。年代別に見ると、随分画風が変わってきているようです。特に50歳を越えたあたりからの絵が素晴しい。『風騒』は、木の上に群れる鷺たちが突然の夕立に驚き騒ぐ一瞬を捉えた緊張感溢れる代表作。プラチナ箔を使った陰影が効果的です。晩年の『雪つばき』は、降り積もった雪が真綿のように岩根椿を包む優しい冬の朝の風景。どこか心象風景と重なるのでしょうか、どれも胸にじーんと伝わるものがありました。

外に出ると雨が本降りに。錦市場まで歩いてお惣菜とお餅それに大藤の千枚漬を買い込み、車に戻って帰路につきました。これからちょっと人並みに大掃除して迎春準備を始めます。

今年も残すところあと4日。ずいぶん冷え込んでまいりました。どなた様もお身体にお気をつけて、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ

| ◆京都 | 11:58 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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泉屋博古館の中国青銅器

日本では縄文人が石槍を持って獣を追いかけていた頃、中国ではいくつもの王朝が誕生していました。絶大な権力を握る王は、祖先の霊を神と崇めてその命に従い天下を統治、盛大な祭祀儀礼を行なって繁栄と安泰を祈っていたということです。古代中国の青銅器は、元は祭壇にお供えするための器、高度な技術でつくられた権威の象徴。だから、だから凄いんです!

京都・鹿ヶ谷にある泉屋博古館を初めて訪ねたのは先月末。時間がなくて、チラッと見ただけでも驚きの青銅器コレクション! 思えば今年は私にとって青銅器元年かも。まず2月に神戸市立博物館の『中国王朝の至宝』で大衝撃そして目からウロコ、その後も3月に白鶴美術館、7月にはミホミュージアム、8月にも奈良国立博物館の仏像館と、青銅器との出合いが続きました。

どこがいいの!?と、思っていました。これまでほとんどスルーしてきました。それはきっと大したものを見てなかったからでしょうね。美術講座で古代中国の神仙思想について聞きかじり、そしてとうとう目覚めてハマりました。図書館で本も借りて来ちゃったりして、パラパラとお勉強もしてみました。するとそれは泉屋博古館名誉館長・樋口隆康氏の著書でした。

2013 中国の青銅器

今回も木島櫻谷の企画展から。最終展示換えで代表作の『寒月』をじっくりと。鈍い月明かりに照らされた一面に雪の積もった竹林を、一頭の狐が辺りを窺いながら足跡を残し横切って行くという、しんとした寂寥感のあるモノクロームの世界。鼻の奥がキーンと冷たくなるような情景です。

次、先を急ぎお目当ての常設展『中国青銅器の時代』へ。時代ごとに4つの展示室に分けて、それぞれ全方向から鑑賞できるガラスケースの中に展示されています。入口には解説をされるボランティアの方もいらして丁寧なのに、残念ながらこちらまで足を運ぶ入場者は少ないようです。紀元前17世紀頃の殷時代から周、漢、唐時代まで、国内トップクラスのコレクションがズラリと並んでいます。

虎ゆう き神鼓と象文じこう
 
まず目を見張るのはそのカタチ。一見素朴なようで実は格調高く典雅なフォルム。龍がいます、虎や象、羊や兎それにミミズクもいます。もちろん人もいます。その背中に羽が生えていたりもします。様々な動物や怪獣が変幻自在に姿を見せるから目が離せません。青銅器には用途によって細かくむずかしい名称がついていますが、見たこともない漢字ばかりで、これはおいおいに。

中国の青銅器 饕餮文

それに何といっても表面に刻まれた文様がいいですね。幾つもの目がじっとこちらを睨み、その間を隙間なく渦が埋め尽くしています。何というか・・・原始のDNAが身体の奥で喜んでざわつく感じ。この獣面文を饕餮文(とうてつもん)と呼びます。神へのお供えを邪悪なものから守るために、怖い顔して睨みを利かせているんですね。他にも蝉や鳥、亀や蛙などの動物文がたくさん。宝探しみたいで見飽きません。

少女の頃’人魚’に憧れたように、今私は’羽人’という響きにとっても憧れを感じてしまうのです。「羽人の国有り、不死の民あり。・・・人、道を得るや、身に毛羽を生ずるなり」と、『楚辞』にあるそうです。青銅器を見ていると、そんなことを信じたくなります。

この後、再び桂離宮へと向います。その様子はまた後日に。

| ◆京都 | 07:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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泉屋博古館 特別展 木島櫻谷 & 櫻谷文庫

金曜日も紅葉狩りで賑わう京都・東山へ。名神の京都東ICで降りて蹴上から白川通に入るつもりが、あらら?!南禅寺の中門の方へ。ここいつも間違えます。観光客に行く手をふさがれノロノロ走りながら、ちゃっかり三門周辺の紅葉や、永観堂の総門から見える燃えるような紅葉を車中から楽しみ、得した気分で目的地・泉屋博古館へ。

こちらは、東山を望む住友家の別荘の一角に建てられた住友家が蒐集した美術品を展示している美術館です。以前から気になりつつ、今回特別展に惹かれて初めて訪れました。

泉屋博古館
泉屋博古館 泉屋博古館

今年は没後100年ということで岡倉天心が注目を集めたり、昨年没後70年だった竹内栖鳳の大規模な展覧会が開催されたり、生誕130年という橋本関雪の展覧会もあったりと、近代日本画に何かとスポットが当たる中、恥ずかしながら初めて知る木島櫻谷(このしまおうこく)。

泉屋博古館 櫻谷展

恵まれた環境の中で早くから才能を発揮し、明治から昭和の京都画壇で栖鳳と双璧をなす四条派の画家として活躍した人なんですね。栖鳳同様、動物画も多いです。代表作の『しぐれ』は、霧のような秋雨が降る中、枯れ草の上を小鹿を連れた鹿の群れが行くという、六曲一双に描かれた櫻谷31歳の作。同じ鹿でも、私は『角とぐ鹿』の方が好み。櫻谷56歳の作で円熟味が感じられます。

本日の1枚は、山水を描いた六曲一双の大作『万壑烟霧(­ばんかくえんむ)』でしょうか。水墨画を基調として金泥を刷き、塗り残された紙の白さが沸き立つ雲の質感を表しています。この優美で静寂を湛えた山容のどこかに何か鬱積したものが潜んでいて、しきりと私に訴えてくるのです。

常設の素晴しい青銅器のコレクションは次回にゆっくり鑑賞するとして、現在公開中の櫻谷文庫へと急ぎます。かつて多くの画家が移り住み「衣笠絵描き村」と呼ばれていた地に遺る、和館・洋館・画室の3棟からなるシンプルながらこだわりの感じられる贅沢な櫻谷旧邸。

さすがに画家、天井を高く取って窓や障子から自然光を取り入れた明るい部屋が多いですね。和館と画室の間には池を配した庭園もあったとか。其処此処に当時の豊かな生活振りが偲ばれます。
櫻谷文庫

櫻谷文庫 櫻谷文庫

櫻谷文庫櫻谷文庫櫻谷文庫

櫻谷づくしの1日。泉屋博古館の櫻谷展は、あと2回展示換えがあり、1枚の入場券で期間中もう1度入場可能になっています。 

| ◆京都 | 00:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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京都市美術館 竹内栖鳳展 ~ 無鄰菴 ~ 細見美術館

あと2日で11月というのに暖かな申し分のないお天気。今日は京都岡崎公園駐車場に車を置いて、周辺の美術館などを巡ります。まずは、京都市美術館開館80周年記念 竹内栖鳳展から。

竹内栖鳳展  京都市美術館 竹内栖鳳展

これまでも結構いろんな展覧会で目にしてきました。没後70年に当たる昨年夏には、松伯美術館でも竹内栖鳳展が開催されていたので、かなり見知ったつもりでいましたが、今回は規模が違いました。大作が多い上に、代表作がズラリと並んで見応えがあります。

京都に生まれ四条派に学び、独自の表現を求めて諸派を総合した画風は『鵺(ぬえ)派』と揶揄されながらも、渡欧からさらなる進化を遂げて『西の栖鳳、東の大観』と並び称される近代京都画壇の大家。年代順に観ていくと作風の変遷がよくわかり、晩年に迎えた新境地は老いてもますます瑞々しく感動的です。

見どころとなる『大獅子図』と『雄風』は2度目。しかし、『雄風』は何度見ても異色ですね。構図・色彩・技法とも、高みに達した後の程よく力の抜けた爽やかな自由さとでも申しましょうか。栖鳳といえばつい動物画に目が行きがちですが、今回楽しみにしていたのは『羅馬之図』。ここに描かれた古代ローマの水道橋は、セピア色の乾いた濃厚な空気に包まれ荒涼とした中で、朽ちる日を待つかのように静かに佇んでいます。橋の上に小さく鳥の群れを見つけたとき、何故かググッと引き込まれてしました。   

他にも見どころ多数。11時近くになるとかなり混み合ってきました。近くで昼食を済ませて、次は明治・大正の元老 山県有朋の別荘、無鄰菴(むりんあん)へ。

無鄰菴

無鄰菴無鄰菴無鄰菴

東山を借景にした奥行きのある池泉回遊式庭園です。ほんのりと色づいた紅葉もあって、母屋から眺めるお庭が素晴しい! 白鷺と青鷺が、池の浅瀬をゆうゆうと闊歩しています。何だかここだけ違う時間が流れているみたいですね。

その後、『琳派の伝統とモダン』と題し、神坂雪佳と江戸琳派の展覧会を開催中の細見美術館へ。ユーモラスにデザイン化された雪佳の『金魚玉図』に会いに行きます。展示室に入ると、それは丸いガラスの金魚鉢の中から、ヒレを広げてとぼけた顔でこちらを見ていました。他に、酒井抱一や鈴木其一なども。小ぢんまりした作品が大半でした。

細見美術館 神坂雪佳展

帰りは、松屋常盤で予約していた味噌松風を、ひつじで揚げたてのドーナッツを買ってお土産に。明るいうちに帰宅、早く目を休めなくては・・・

| ◆京都 | 23:21 | comments:2 | trackbacks:1 | TOP↑

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京都国立博物館の夏期講座 & 特別展観 『遊び』

7月31日~8月2日の3日間、毎年人気で競争率の高い京都国立博物館の夏期講座が、今年は『古社寺と文化財』というテーマで開催され、初めて受講してきました。会場の狭い座席はギッシリと参加者で埋め尽くされ、かなり息苦しい状態 高齢者が7~8割を占め、そこはかとなく加齢臭が・・・ 朝10時からだいたい4時過ぎまで、結構ハードです。

講師の方々は、テーマに沿ってそれぞれご専門の研究成果を発表されます。当然ながらいろいろな社寺が紹介され、何の宗派でどんな意味のある文化財なのかという解説になりますが、宗派の違いがわからない私にはチンプンカンプンなことも

驚いたのは、この博物館が明治30年に開館され、大正13年には夏期講座をスタートしていたということ。歴史ありますね~ 明治維新直後の廃仏毀釈で様々な仏教的なものが破壊される中、明治4年、政府により’古器旧物保存方’が布告され、各地方官庁で古品物のリストアップが始まって、明治21年には’臨時全国宝物取調局’が設置され調査が行なわれると同時に、社寺の宝物を保存するための施設である博物館が東京・奈良・京都に次々と開館。明治30年に’古寺保存法’が制定されるに至って、ほぼ現在の’文化財保護法’の原型が出来上がったらしいです。

もし明治の初めに保存を提言する人たちがいなければ、私たち日本人は、それまでの歴史的伝統的な文化財の多くを失い、そして自らのアイデンティティーすら無くしていたかもしれません。なるほど、博物館ってそんな役割を担っていたのですね。勉強になります。

夏期講座の最終日の午後からは特別展観『遊び』の見学でしたが、一人で自由に見たいからパスして、日を変えてミホミュージアムの帰り寄ることに。3時を過ぎていたので駐車場は空いてましたが、いつの間にか有料になっていました。

京都国立博物館は、長い間建替え工事をしていた平常展示館が、来年春にようやく「平成知新館」としてリニューアルオープンするそうです。覆いが取られてやっとその全容が見えてきました。楽しみです

京都国立博物館 平成知新館 京都国立博物館 本館

今回の展示は、遊びに関するお道具類やお人形、遊びを写した絵画や衣装など。お目当ては応挙の『唐子遊図襖』と芦雪の『群猿・唐子図屏風』。芦雪の右隻・群猿図は、太い刷毛で描かれた黒々とした岩塊と赤い蔦に3匹の猿。その人を食ったような猿の表情が、いかにも芦雪といった感じ。印象的だったのは土佐光起の『紅葉図』。国宝・一品経和歌懐紙の扉絵として描かれたもので、箔を散らして茜色にぼかした背景が紅葉の赤を柔らかく引き立てる風雅な絵です。優しい色合いに癒されますね。

狩野元信の『京洛年中行事図扇流屏風』は、千鳥が飛び交う川に扇が流れていくという’扇流し’の趣向で、扇面には京都の各所・祭礼・行事などが描かれています。扇面貼交屏風にこうした手法があることを初めて知り興味深かったです。

遊び 遊び

この日は美術館→博物館とはしごして、もう目がショボショボ。安全運転で帰路につきました。

| ◆京都 | 14:59 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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堂本印象美術館&細見美術館

等持院でサツキと青葉を堪能したあと、きぬかけの道に面した立命館大学の向いにある京都府立堂本印象美術館へ。こちらはギョッとする特異な外観で、ちょっと怪しい感じがしないでもありません。すべて堂本印象自身によるこだわりのデザインらしく、アバンギャルドですね。

堂本印象美術館

堂本印象の作品は、作風がコロコロと変遷し、驚くほど変化に富んでいます。今回は『モノクロームの可能性-印象の墨絵・東寺小子房襖絵を中心に-』という企画展ですが、新しく出会う印象です。

回廊には、しっとりとした風景や人物・動物などを墨で描いた日本画。かと思えば、ダイナミックで力強いスピード感のある墨線と金彩をポイントにした抽象画が並びます。2階展示室には、また全く違う空気が流れていました。

一瞬、静謐な霊気を感じたように思います。8面の襖に、濃淡で柔らかく描かれた何種類かの瓜が蔓を横にのばしています。奥2面の襖には、キッと鋭い眼光を向けながら木の上に立つ鷹の姿。そして本日の一枚、『雲収日昇』。連なる山々に雲がたなびいて湿潤な空気が漂い、山の端にはかすかに朝日が射し込んでいます。手前に描かれた木々の深い墨色が、全体を引き締め緊張感がありますね。嵐山の風景を描いた、六曲一双の屏風絵です。

丸太町にある十二段家のお茶漬けで腹ごしらえをしたあとは、岡崎の細見美術館へ。開館15周年記念特別展『日本美術の荘厳-祈りとかざり-』を開催中です。

仏教・神道美術が中心で、仏画・仏像・磁器、その他いろいろな装飾品などですが、今回は残念ながら興味の持てる展示がほとんどありませんでした。2日連続の美術館巡りで、集中力が途切れたせいかもしれません。

このあと、一乗寺の穂野出で雲母漬(きらら漬)、百万遍のかぎや政秋でときわ木と益寿糖を買ってお土産に。初めて食べた益寿糖は、ぷにょぷにょした独特な食感とニッキの優しいお味がはんなりと上品 そうそう、帰り道で見つけた柏屋光貞のおおきには、4色のかわいい寒天菓子ながらなかなかの味わいで、いずれも好評でした。

| ◆京都 | 11:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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