待宵草の薄暮日記

今は趣味三昧の気ままなひとり暮らし。 覚悟をもって毅然と、でも時には誰かのために熱くなる、そんな日々の徒然を綴っています。

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あるがん患者家族との往復メール

これは、偶然ブログを通じて知り合った方との往復メールです。

がんが進行して自宅に戻ることを選んだお父様を、初めは戸惑いながらも懸命に支え、やがて最期のときを迎える様子が綴られています。住み慣れた家で、互いを気遣う父娘の、悲しいけれど優しさに満ちた時間が、きらきらとした言葉で語られていて、心打たれました。

長くなりますが、すべての人に、ぜひ最後までお読みいただきたいと思います。



    

まつよいぐさ様

こんにちは。

私は、玉三郎さんのファンで
「まっぴら御免なすって」というブログをやっております
桔梗と申します。

昨日はコメントをいただきまして
どうもありがとうございました。

コメントのお返事で中途半端なことを書いてしまって
大変失礼いたしました。

ちょうど、昨日、まつよいぐさ様のブログを拝見して
玉三郎さんの舞台の感想に共感しつつ
何気なくほかの記事一覧を見て
えーっ、と目が釘付けになりました。

実は、私の父は、大腸がんなのですが
抗がん剤も、もう限界になってしまって
やはり入院するよりも家にいたい、ということで
今、私が、父と同居し、食事など身の回りのことを
やっているという状況です。

この先、在宅でケアがちゃんとできるのか
得体の知れない不安がどっと押し寄せてきて
途方に暮れて、また、弱っていく父を見るのが
可哀想で辛くて、ここ数日、涙にくれていたところでした。

そんなときに、お母様を介護され、お家で看取られた、
まつよいぐさ様の記事を拝見し、とても励まされました。
車の中が涙の捨て場、という言葉は本当によくわかります。
私も、夜、一人になると涙が溢れてきて
どうにも止まらなくなってしまいます。

やはり同じ経験をされたまつよいぐさ様の言葉は力強く
心に響き、また具体的な方法などのアドバイスもありがたく
とても参考になりました。
こういうテーマのブログの重要性を痛感しています。

私は、まだ、介護保険の申請をしたところで
来週にはケアマネージャーさんが決まり
これから打ち合わせをすることになるのですが
父の具合はあまり良くなく、心配ばかりの毎日です。
姉が近くにいるので、たまに来てもらって
玉さんなどにも出かけることはできるので
まだ救われています。

この先、どんなことが待ち受けているのか。。。
今は不安でいっぱいですが
でも、玉三郎さんに元気をもらいながら(笑)
何とか乗り切っていきたいと思っています。

こちらのブログを拝見することができて
本当に良かったと思っています。

まつよいぐさ様の経験談や病院の情報などで
救われている方はきっとたくさん、いると思います。
これからも、ブログを励みにさせていただきます。

どうもありがとうございました!

桔梗
(6月19日)

桔梗さま

こんばんは。
ご丁寧にお返事いただきありがとうございます。

ブログ拝見して感心してしまいました。
伯母が玉三郎さんのことを、あれやこれやと尋ねるので
色々検索しているうちに辿り着いたんですよ。

ところで、お父様のこと本当にご心配でしょう。
大変お辛い状況でいらっしゃいますね。

私も経験上、容易に想像できるのでもらい泣きしてしまいました。

お父様は在宅で緩和ケアは受けておられるのでしょうか?
とにかくまず我慢せず痛みを取ってもらうことが何よりです。

信頼できる医療機関と出会っておられるとよろしいのですが。

在宅となると、確かにご家族の介護力を必要としますので、
病院より負担が大きいかもしれませんが、やはり住み慣れた家で
出来るだけ普段通りの生活をされるのが、ご病人にとっては
一番だと思うのです。

でも普段通りといっても、ご家族にとっては毎日が死に物狂いでしょう。
胸中お察しいたします。

ケアマネが決まれば、ちょっと安心ですね。
とても親身になってくださいますから、何でも相談されるとよいと思います。

もしそれで余裕がお出来になりましたら、どうぞお父様といろんなお話を
なさってください。
今まで聞きそびれてきたこと、例えば・・・どんな子供時代だったのかとか
若い時は何をしていたかとか、お母様との出会いとか、
何が好きで何が嫌いだとか、一番楽しかったことや怖かったこととか。

そうして温かいご家族の時間を大切になさってくださいね。

私の拙いブログが少しでもお役に立てたなら、こんな嬉しいことはありません。
またコメントorメールお待ちしております。

まつよいぐさ
(6月23日)

まつよいぐさ様

温かいメッセージをありがとうございます。
 
まつよいぐささんの優しさが身に沁みます。
私のメールにもらい泣きしてくださった、というのを読んで
また、私も泣いてしまいました(すみません泣いてばかりで)。

私ごとで恐縮ですが、3年前に母が亡くなり
その年に、父の大腸がんがわかり、3回の手術を経て、治療を続けてきました。
昨年から通院で抗がん剤の点滴(父の希望により)をしていました。
でも、薬が強くなってから副作用が激しく、体力がみるみる低下してしまい
抗がん剤を止めることにしたのですが、今、どうすることもできず、
家で過ごしている状態です。
圧迫感やだるさのために寝ていることが多くなりましたが
痛みがないのが救いといえば救いです。
 
在宅看護や往診の病院についても
まつよいぐささんのブログの「末期がんの方の在宅ケアデータベース」を
拝見したおかげで、近くにいい病院があることがわかり
今度、ケアマネージャーさんと打ち合わせをするときに
その病院からの往診や訪問看護を頼めるかどうか
聞いてみようと思っています。

今まで、どうすればいいかわからずに閉ざされた世界で
ただ悲嘆に暮れていたのですが
まつよいぐささんのブログをきっかけに世界が開けて
いろいろ方法はあるし、父のためにやらなければいけないことは
この先、もっと沢山あるのだ、ということに気が付きました。
たくさんの手がかりを与えていただいて
心から感謝しています。

そうですよね、父とも、いろんな話をして
この先の貴重な時間を大事に過ごしていきたいと
思っています。
やはり、この時期、父は子供の頃のことなど
懐かしんで話すことが多いです。

また、きっと、メールをさせていただくかもしれません。
どうぞよろしくお願いいたします。

伯母さまのご質問がありましたら、
玉三郎さんのことは何でも聞いてください(笑)
いつでも何でもお答えいたしますので!
 
お忙しい中、メールをくださって
本当にどうもありがとうございました。

桔梗
(6月24日)

桔梗さま

メールいただきありがとうございます。

本当にお辛いでしょうね。
お母様を亡くされて悲しみが癒える間もなく、お父様のご病気が悪化されて。

でも、今はお父様のために何とかご自分を奮い立たせて気力を振り絞り
今できることを悔いの残らないようにやり遂げてくださいね。

そのためには、まず色々情報を収集しなければ始まりません。
ケアマネが決まるのを待って相談するのも一つの方法ですが、
それ以外にも病院を利用する方法があります。

お父様が入院されていた病院には、たぶん『地域医療連携部(室)』が
あると思います。もしその病院が地域がん診療連携拠点病院であれば、
『がん相談支援センター』があるはずです。

そこでは、ソーシャルワーカーが、在宅で緩和ケアを受けるための
様々な情報を提供してくれるのです。
もし桔梗さんがお住まいの地域に在宅医がいれば紹介してもらえますし、
これまでの治療データなど直でやりとりしてもらえて便利です。

ぜひぜひ、病院のHPで確認してみてください。

残念なことに、病院でこうした情報を患者に伝える主治医が少ないのです。
知識がないのは本当に不安ですから、ちょっとしんどいですが、
主治医任せにせずご自身で動いてみてはいかがでしょうか。

いくつかの選択肢があって備えがあれば、ある程度不安が解消されて
少し心が落ち着きます。
緩和ケアでは、病状の進行に合わせて細かく処方してもらえますから、
むくみやだるさなどもかなり改善されると思います。

ただ地域による医療格差というのがありますので、とにかく信頼できる
在宅医と巡り会われるようお祈りしたいです。

差し出がましいとは思いましたが、私の場合の反省も踏まえて
メールせずにはいられませんでした。

またいつでもメールくださいね。

まつよいぐさ
(6月24日)

まつよいぐさ様

お返事をありがとうございます。

がん支援相談センターのことなど
まったく知りませんでした。
いろいろとありがとうございます。

病院のHPで確認してみたいと思います。
今までパニックで普通に思考できなくなっていたことを
あらためて痛感しています。
自分が戸惑っている場合じゃないですよね。
  
>いくつかの選択肢があって備えがあれば、ある程度不安が解消されて
 少し心が落ち着きます。

本当にそうですね。備えることですよね。
それによって、父が楽になるような方向へと
運んでいくようにしなくては、ですね。

きめ細かく具体的に教えてくださって
重ね重ね感謝いたします。

先ほども、あまりに痩せ細った父の腕を見て
また辛くなっていたのですが、そんなことばかり
言っていてはいけませんね。
   
明日から、問い合わせなど活動したいと思います。

どうもありがとうございました!

桔梗
(7月4日)

まつよいぐさ様

こんにちは。

先日は、コメントをありがとうございました。
 
父は、あれから在宅診療してくださる病院に
(まつよいぐささんのデータベースで見つけた病院です)
一週間、入院しまして、ポートで点滴をするようになり
6日に退院しました。

そこの院長さんが直々に、週一回、往診してくださることになり
いろいろと指導や手当てをしてくださるので
私も、だいぶ安心できるようになりました。

そうはいえ、日に日に痩せて、動けなくなっていく父を見ているのは
かなり辛く、でも、父が泣いていないのに私が泣いてはいけないと心に決め、
気持ちを強くして、日々を過ごしています。

毎日、訪問看護の方や、医療用品の配達などなど
人の出入りが激しくなりましたが、かえって人に会って、
プロのみなさんとお話ししている方が気が抜けますね。

玉さんのコンサートも命がけで(笑)
何とか行くことができました。
これだけは行きたいとずーっと楽しみだったので
思いを遂げられて(オーバーですね)ホッとしています。

日々の一歩一歩を、大切にするしかないなと思います。

まつよいぐささんにご心配いただきとても励まされました。
どうもありがとうございました!

桔梗
(7月10日)

桔梗さま

本当に良かったです。ホッとしました。

そうやっていろんな人の支援を受けて、温かい心に触れながら
ありがたいと感謝できる毎日を送ってほしいというのが、
私の願いでありブログの目的でもあります。

いい先生にめぐり会えて良かったですね。
桔梗さんの思いが通じたのですよ、きっと。

ところで、玉三郎さんのコンサートって、なんか想像できません。
白塗りなし? 洋装? ですよね!

11月の旧金比羅大芝居の特別公演は観てみたいですが、
はたしてチケットが手に入るかどうか・・・

どうぞうまく息抜きしながら、お父様の介護がんばってください。
ご自身のお身体も大事にしてくださいね。

また何かありましたら、いつでもどうぞ。

まつよいぐさ
(7月11日)

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旅立ち
どうぞ、こちらをクリックしてください
↑ クリック (ブログ「まっぴら御免なすって」より)

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桔梗さま

一昨日桔梗さんのブログを拝見して、
お父様がお亡くなりになられたことを知りました。

謹んで心よりご冥福をお祈り致します。

娘思いの優しいお父様だったのですね。
何とお慰めしたらよいかと迷っていたのですが、
こんな時、つくづく言葉は無力だと感じます。

多分桔梗さんを癒せるのは、長い時間だけでは ないでしょうか。

いろいろお辛かったでしょう。
まだこの先悲しみは続くと思います。

でも、娘としてお父様の最期をちゃんと看取られたことは、
きっと桔梗さんにとって、これからの生きる糧になるはずです。

『いつか逢える』、私はそう思ってその時を楽しみに生きています。

残された手続きなどでお忙しいのではないですか。
残暑厳しい折、どうぞお身体を大切になさってくださいね。

これからもブログ拝見します。

桔梗さま
(8月16日)

まつよいぐさ様

メールをありがとうございます。

まつよいぐささんにお知らせをしなくてはと
思っているうちに先にいただいてしまい
失礼してしまいました。

父と自宅で過ごした日々は
かけがえのない時間だったと思います。

まつよいぐささんに在宅ホスピスの情報など
教えていただいたおかげで
最後に出会ったお医者さまに腹水も楽にしていただき
往診もマメにしていただき、本当に貴重な出会いとなり
父も、安心して過ごすことができました。
あの時間がなければ、今、もっと悔いていたと思います。
まつよいぐささんのブログは、とても貴重な内容だと思います。
心よりお礼を申し上げたいと思います。

意識がなくなってから、面と向かってはなかなか
言えなかったことを、父の耳元でずっと語りかけていたら
意識のないはずの父の瞼に涙が浮かんできました。
ああ、聞こえているんだ、と思って、
思いの限り、言葉をかけました。
そういう形での心と心の交流もあるのだなと
神様がくれたその時間がとても神聖なものに思えました。

自分にとって、初めて経験することばかりで
とまどいましたが、試練でもあり、また幸福でもあったのだなと
思えるようになってきました。

父のかけてくれた「ありがとう」という言葉を支えにして
これからまた元気に生きていかなくてはと思います。

まつよいぐささんには、私の姉も、とても感謝しております。
本当にどうもありがとうございました。
 
そうですね、『いつかまた逢える』のですね。
それを楽しみに、私も、生きていきたいと思います。

私もまつよいぐささんのブログを拝見させていただきますね。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

桔梗
(8月16日)

桔梗さま

素晴しいメールをありがとうございます。
感動しました!

親身な在宅医に出会われたのは、
お父様が積んでこられた徳のお蔭でしょう。

そしてあなたの言葉は、お父様の ’魂’ が
ちゃんと聞いておられたのですよ。

良かったですね。
桔梗さんは、お父様から最期にたくさんのプレゼントを
受け取られましたね。

どうぞ大事になさってください。

まつよいぐさ
(8月16日)

まつよいぐさ様

本当にありがとうございます。
  
そのように言っていただいて
とても励まされます。
父からのプレゼント、なんですね。
今も、その光景が浮かんでは
涙してしまいます。
 
気持ちの浮き沈みがあって
今日も一日、切なくて沈んでいましたが
まつよいぐささんのメッセージを読んで
気持ちが楽になりました。

前向きに、ですね。
いい思い出を胸に。

どうもありがとうございました。

桔梗
(2012年8月16日)


 

※ 掲載にあたり、快く承諾くださいました桔梗さまに心からお礼申し上げます。
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