私はクラシックをよく知りません。楽器が演奏できるわけでも、譜面が読めるわけでもなく、バロック音楽はよく聴くけれど楽曲名は片っ端から忘れてしまう。自分がどんな志向なのかもまだよくわかっていません。だから、クラシックコンサートに行きます。そこで出会う音楽が私のすべて。
というわけで、2月はザ・シンフォニーホール、初旬に『ベルリン・バロック・ゾリステン with 神尾真由子 & ジョナサン・ケリー』、下旬に大阪交響楽団の第90回名曲コンサートへ。どちらも前から数列目の中央席。楽器の発するちょっとした音、奏者の息継ぎや表情までよく伝わってきます。
今回、大阪交響楽団の<珍しい楽器の協奏曲シリーズ >で取り上げられたのはサクソフォン。演奏は須川展也さん。とにかく熟達した素晴らしい音色で、特にアンコールで演奏されたカッチーニのアヴェ・マリアに圧倒されました。
それはまるで、遥か彼方の遠くから静かに打ち寄せるさざ波のように、薄い悲しみが幾重にも辿りついては、やがて海の底に沈んで澱となり層をなして深い悲しみとなるかのようでした。抑制がきいた情感豊かな演奏が映し出す情景に、胸が締めつけられます。記憶の片隅にくすぶる様々な想いがこみ上げてくるからでしょうか、涙を拭っている人がいました。
G.ロッシーニ | 歌劇「絹のはしご」序曲 |
A.グラズノフ | アルトサクソフォンと弦楽のための協奏曲 変ホ長調 |
G.ロッシーニ | 歌劇「シンデレラ」序曲 |
L.v.ベートーヴェン | 交響曲 第4番 変ロ長調 作品60 |
あまりに感動したので、帰宅後早速アマゾンで須川展也さんのCDを購入。でも、いつものことですが、コンサートで聴いた演奏には及ばないんですよね。だから、やっぱりコンサート最高
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