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待宵草の薄暮日記

今は趣味三昧の気ままなひとり暮らし。 覚悟をもって毅然と、でも時には誰かのために熱くなる、そんな日々の徒然を綴っています。

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黎明教会資料研修館 Reimei Art Gallery

10月12日(土)から始まる京博特別展「流転100年 佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」開催に先立ちボランティア研修を受けたあと、お気に入りの伊藤軒でランチを。

この日は午後から黎明教会資料研修館 Reimei Art Galleryへ。只今、秋季展開催中。これまで気になりつつも、その名称から何となく一人で行きづらい感がありボランティア仲間と。

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こちらは吉田山の麓に位置する、小ぢんまりした9室の展示室からなる美術館。光琳・乾山・宗達など琳派を中心に光悦の書や歌仙絵と渋い作品が並んでいます。落ち着いて静かにゆっくり鑑賞できるのが嬉しいですね。温かみのある対応にも好感が持てました。

近くまで来たので、このあと茂庵へ。神楽岡通りから目印の看板を辿って、急な階段を上がりさらにさらに坂道を上ってようやく吉田山山頂に。皆さん大丈夫!?

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レトロで趣のあるカフェで、窓から市内の景色を眺めながらホッとひと息。汗が引いたところで、坂を下って帰路に。

| ◆京都 | 19:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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京都文化博物館 百花繚乱 ニッポン×ビジュツ展 & 西陣織あさぎ美術館

今日は烏丸で月イチの大学公開講座の日。折しも京都では9月1日~7日にICOM(国際博物館会議)京都大会が開催されており、各所で協賛イベントや記念展覧会開催中。

午前の講座が休講となったのを幸いに、京都文化博物館へ。こちらは只今『百花繚乱 ニッポン×ビジュツ展』を開催。

京都文化博物館

会場に入るといきなり若冲、応挙、蘆雪、蕭白の作品が目に飛び込んできたけど、確か入口には📷️撮影可とあったような・・・と思わず2度見。なんと寛大で素晴らしい! 関西ではほとんど見かけない嬉しい📷️撮影可♪

伊藤若冲

円山応挙

長澤蘆雪

曾我蕭白

東京富士美術館所蔵の名品が惜しげもなくズラリと並んでいます。その上、作品の展示も凝っているし、主要な作品の前にはあのビクセンの高級単眼鏡(←私のと同じもの!)が置かれているではありませんか。他にも映像で興味深いシュミレーション体験のできるところが3箇所も。行き届いたゴージャスな展覧会に大興奮。

進々堂でランチの後は、午後の講座に出席してから、次は西陣織あさぎ美術館へ。こちらも9月7日まで入館無料・予約不要の特別展開催中。

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エレベーターの扉が開くと、目の前に現れた金色に輝く尾形光琳「紅白梅図」の大タペストリーが眩しすぎて衝撃的。息を呑む美しさです。

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生糸にこだわり、一般的な西陣織の4~9倍の繊細さで、繰り返しのない全通全景の絵柄で和洋の名画をデザイン化して格調高く表現し、幅65cm×長さ4.5mという伝統的な「丸帯」に織り上げられたものが西陣織美術工芸あさぎ。

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↑ 丸帯一本分のまゆ玉
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その後もずっと目を奪われたまま日本の美を堪能。久々に眼福に預かり至福の一日でした。

| ◆京都 | 22:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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与 勇輝 展 ~創作人形の軌跡~

京都 烏丸にある佛教大学四条センターで仏教美術の講座を受講した後、河原町の京都高島屋へ。昔むかし、確か家庭画報か何かでその人形を見て目を奪われたのを覚えています。それは見たこともない妖精の人形でした。

私たち世代には、NHKテレビ「新八犬伝」でお馴染みの人形師 辻村寿三郎氏が広く知られていますね。日本を代表する人形師のお二人が、ともに1930年代のお生まれというのは不思議な偶然。

与 勇輝氏の人形は豊かな表情が特徴。まるで心が宿っているかのような眼差しに見入ってしまいます。今回はパリ凱旋・傘寿記念の展覧会とのこと。実物を見るのは初めてです。

2018 与勇輝展

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| ◆京都 | 00:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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京都国立博物館 特別展 池大雅

’天才南画家、85年ぶりの大回顧展’ ということで4月7日から始まった特別展、天衣無縫の旅の画家 池大雅。

江戸中期(1723年)、京都銀座の下級役人だった父のもとに生まれ、幼くして父を亡くし母と二人暮らし。7歳で書を学び始めるや、たちまちその才能を発揮し神童と称されたそうです。そして、何と15歳で扇屋を開いて扇子に絵を描いて生計を立てるようになります。

享保の改革後、洋書とともに中国からは「芥子園画伝」「八種画譜」などが流入。それを絵手本として、中国絵画の新様式を取り入れた独自の画風で南画を確立して一世を風靡したのが、池大雅と与謝蕪村です。この時代は江戸美術の黄金時代で絶頂期。写実主義の円山応挙や、型破りな禅画の白隠慧鶴、昨今では奇想派の画家といわれる伊藤若冲・曾我蕭白・長沢蘆雪など、次々と個性的な天才が画壇に登場し、想像するだけでワクワクしてしまいますね。

南画の特徴は、詩書画一致。水墨を主体とし、柔らかい筆づかいと優しい色彩で、主に山水を描いて詩の世界を絵画化しています。派手さはありませんが、大雅の南画は誠実な人柄が滲み出る感じで、1度目より2度目、2度目より3度目と回を増して観るたびに味わいが深くなるから不思議です。

2018 京博 池大雅1

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暴れん坊将軍こと 松平健(=徳川吉宗)さんが来館。享保の改革は吉宗さんあってのことだとかで、今回アンバサダ就任。

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| ◆京都 | 01:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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清水三年坂美術館

お天気の怪しい日は美術館へGO! というわけで、前から気になりつつ行く機会のなかった清水三年坂美術館へ。

2016 清水三年坂1

残念ながらこの辺り、私にとっては東山の中でも五条坂に次いでもっとも避けたい観光地。異文化が流入し、目を剥くような光景に出合うこと数知れず。しかしながら、この日は人出も少なくちょっぴり落ち着いた雰囲気。気を好くして歩いていると、うっかり通り越して引き返すほど、小ぢんまりした美術館でした。

2016 清水三年坂美術館

ところが、ひとたび足を踏み入れると、そこは三年坂の喧騒とは別世界。幕末から明治にかけての繊細で洗練された日本の美が凝縮されています。七宝・金工・蒔絵・京薩摩など、とにかく人間技とは思えないほどの超絶技巧に驚嘆。細部の細部をじっくり見てこそ値打ちがある名品ばかりですから、こちらは単眼鏡必携ですね。貸し出しもあるようです。

1階の常設展示室で七宝・金工・漆塗りの解説映像を見てから、2階の企画展示室へ。まるで絵画のような「刺繍(ぬい)と天鵞絨(ビロード)」展開催中。絹糸や金糸が光の角度で幾通りもの表情を見せてくれます。

海外に流出した日本美術に魅せられて、高額な美術品を次々と買い戻し、ついには美術館まで建ててしまったという館長の村田理如氏とはいかなる人物なのかと思っていたら、目の前に。村田製作所の創業者一族のご出身と聞いて、ああ、なるほど。

| ◆京都 | 13:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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楊谷寺の紫陽花 & 大山崎山荘美術館『野口哲哉展』

梅雨というのに快晴の先週金曜日は、京都西山界隈へ。まずは、名神大山崎ICを降りて真新しい京都縦貫道の側道から、うねうねした山道を上がって楊谷寺へ向かいます。何でも開祖の僧都が、夢のお告げにより柳の生茂る溪谷の岩の上に観音菩薩を見つけたということで、柳谷観音としてお祀りされています。

楊谷寺

山門をくぐり本堂に。残念ながら御開帳日ではないので観音様は拝めません。左の方にまわると、水琴窟や斜面に造られた庭園があり、奥ノ院まで長い登りの回廊が続いています。紫陽花もちらほら。奥ノ院前庭の池には、モリアオガエルの大きな産卵泡がいくつも木の枝にぶら下がっていて、さらに近くの紫陽花の葉っぱの上には本体が

楊谷寺楊谷寺
楊谷寺楊谷寺 

帰りは、現在27種4500株が植えられている参道・あじさいのみちを下っていきます。満開まであと少し。洛中にはないローカルな味わいの、ちょっとひなびたのどかな感じが心地好いお寺でした。6/28(土)・6/29(日)の2日間、『あじさいまつり』が開催されるそうです。

この後、小倉山荘竹生の郷にあるカフェでランチを。ここではデザートをぐっと我慢します。食後は、近くにある京都市洛西竹林公園へ。高台にあるきれいに手入れされた広い庭園で、普段なかなか目にしない珍しい竹が出迎えてくれます。ですが、「ヘビに注意」の看板や苦手な虫のせいで、途中から足が前に進まず早々に退散

京都市洛西竹林公園京都市洛西竹林公園

そして、最後はアサヒビール大山崎山荘美術館へ。駅前のコインパーキングに車を停めて急坂を上ると、美術館に着く頃にはドッと汗が。とりあえず2階のオープンカフェに直行し、コーヒーとケーキから。このロケーションはいつ来ても最高! これだけで来た甲斐があったと思わせる開放的で魅力的な眺望です。

大山崎山荘

汗が引いたら階下の展示室へ。『野口哲哉の武者分類(むしゃぶるい)図鑑』と題された、30代半ばの作家が造る過去と現在が交錯した鎧武者が並んでいて、何とも言えない独特の世界観です。精巧だけれど、五月人形のような職人気質な鎧ではなく、現代的なフィギュアですね。

大山崎山荘

池に浮かぶ睡蓮はまだつぼみ、日差しの眩しいお庭では、紫陽花と共に半夏生が白く色づいていました。

大山崎山荘大山崎山荘

| ◆京都 | 01:42 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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勧修寺の杜若 & 京博『南山城の古寺巡礼』・並河靖之七宝記念館

予報が外れて薄雲が広がる先週の水曜日は、京都・山科にある睡蓮の名所、勧修寺へ。こちらは勧修寺と書いて「かじゅうじ」と読む、醍醐天皇が創建された格式のある門跡寺院。でも周辺の地名は「かんしゅうじ」なんですね。

境内の西側に氷室の池を中心とした勧修寺氷池園と呼ばれる池泉庭園があり、平安時代には毎年1月2日にこの池に張った氷を宮中に献上し、その厚さによって五穀豊穣を占ったと言われているそうです。公開されているのは、この庭園のみ。

勧修寺 勧修寺

門をくぐって進むと、書院の前に水戸光圀公が寄進したと伝えられる灯篭が。その周りを樹齢750年というハイビヤクシンが地面を覆うように低く枝を広げています。池では杜若が見頃とは聞いていましたが、黄菖蒲も咲き揃い、睡蓮も咲き始めていました。

勧修寺勧修寺
勧修寺勧修寺

時々日も射し、青葉が美しい。鷺や鴨、カワセミなど鳥たちも伸び伸び。ここではゆっくり時間が流れているようです。

次に向かったのは、岡崎にある並河靖之七宝記念館。昨年末、京都国立近代美術館で開催された『皇室の名品展』で作品を見て感動、ぜひ春季展に訪れたいと思っていました。

 並河靖之七宝記念館並河靖之七宝記念館

明治時代に万国博覧会などで数多く受賞し、国内外で絶賛された格調高く繊細で優雅な並河七宝は、気の遠くなるような工程を繰り返す有線七宝技法により創りだされています。今回の展示は、下画と小ぶりながら細かな図柄に拡大鏡がほしくなる精緻な作品が中心。

並河靖之七宝記念館      並河靖之七宝記念館

こちらの魅力は作品だけでなく、京町家の建物と、七代目小川治兵衛が手がけた琵琶湖疏水を引いた庭園。池に張り出した応接室でガラス越しにお庭を眺めていると、まるでタイムスリップしたよう。何だかとってもくつろいでしまいます。

そしてこの日最後は、京都国立博物館の特別展覧会『南山城の古寺巡礼』。南山城は京都でありながら、土の匂いがするどこか奈良っぽい風情のお寺が多いところですね。いずれも山に囲まれた仏像の宝庫。奈良国立博物館でお目にかかった仏像も結構あったような。

南山城の古寺巡礼南山城の古寺巡礼
 

このお像は定朝様、あちらは慶派とか、一木造か寄木造かとか、印相は何々とか、聞きかじりの知識を総動員し、勝手解釈しながら鑑賞するのもまた楽し 様々な仏像が立ち並ぶ空間には、静謐な空気が流れています。  

それにしても、海住山寺と酬恩庵(一休寺)の寺宝には惹かれますね。いつか木津川沿いをドライブしながら周辺のお寺巡りをしたいと思いました。

| ◆京都 | 22:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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光の賛歌 印象派展

お花見疲れが抜けない、とある平日の午後。多少なりとも人出は落ち着いたかと思いきや、京都・四条界隈は道往く人で溢れていました。ここ数年はすっかり日本画に傾倒している私ですが、久し振りの西洋画鑑賞へ。

光の賛歌 印象派展

しかしながら、京都文化博物館の展示室に入ると、何となく違和感が・・・ ざわざわしています なぜか絵画を観ながら普通におしゃべりしてます まるでこれは学校の文化祭 そういう人が大勢を占めているので、係の人も注意しません。しかも、展示目録を求めたら、作っていない(!?)とのこと

一挙にテンション下がる中、オバサマ方に交じって一人静かに絵画と対峙するイケメン発見。私も気を取り直し、彼を見習って絵画の世界に浸る努力を。

サブタイトルに『パリ、セーヌ、ノルマンディの水辺をたどる旅』とあるように、陽光揺らめく穏やかな風景画が多数。シスレー、ピサロで始まり、ルノワール、モネと続きます。特に、モネが1982年に2回訪れて100点も制作したという、フランス・プールヴィルの海を描いた作品群に惹かれました。もちろんあの『睡蓮』も。日本贔屓だったというモネの精神性がどことなく表れて、何かしら通じるものがあるからでしょうか。

展示室を出て人混みを離れ一人になると、一緒に来るはずだった人のことを思い浮かべていました。印象派展があるから行こうね、と約束したのは去年の秋。そして寒さが幾分和らいだ3月、展覧会の開催前日に届いた思いがけない訃報。

貴女なら、どんな感想を話してくれたかな。

| ◆京都 | 21:56 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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皇室の名品展 & 生誕100年 佐藤太清展

果たしてこんな気忙しい年の瀬に美術館へ足を運ぶような暇人などいるのだろうかと後ろめたい気持ちで出かけてみれば、意外にも京都国立近代美術館は結構混み合っていました

皇室の名品展  皇室の名品展

今年最後の美術館めぐりは、締め括りに相応しく宮内庁三の丸尚蔵館が所蔵する選りすぐりの近代日本美術と工芸品の数々から。3階の展示室に入ると、明治宮殿の壁クロスや天井が再現されて重厚な雰囲気が漂う中、象嵌・七宝・蒔絵・綴錦などの装飾品がズラリ。そのあと明治期の画壇を賑わせた画家らの日本画へと続きます。(凄すぎて、もう解説不可能

それほどゆっくり観ていたわけでもないのに、気が付けば2時間経過。夢中になっているとホント時間忘れるんですね。ありえないほどの眼福にあずかることができました。

お昼は北野天満宮前のとようけ茶屋で生麩丼と生ゆば丼とねぎ揚げを半分こ。いつもながらお味もコスパも◎ですが、30分も並んだのは想定外。数軒隣の粟餅所・澤屋でお土産を買って三条烏丸に戻ります。亀末廣に立ち寄り、例によって京のよすがを買い求めてから京都文化博物館へ。

生誕100年 佐藤太清展

TVで紹介されているのを見たとき、既に心に響くものがありました。思わずメモして絶対観に行こうと決めていた佐藤太清展です。複雑な絵ではありません。風景や自然の一部をズームアップしています。しかし、そこに描かれた情景と、そこから垣間見える作者の心の機微や心情に胸を打たれるのです。

代表作の一つでもある『かすみ網』は、鮮烈な印象。ここに描かれているのは、様々な鳥たちが網にかかって逆さまになりながら、やがて目をつぶって動かなくなる死を直前にした光景。静かにじっと見つめる画家のまなざしが感じられます。年代別に見ると、随分画風が変わってきているようです。特に50歳を越えたあたりからの絵が素晴しい。『風騒』は、木の上に群れる鷺たちが突然の夕立に驚き騒ぐ一瞬を捉えた緊張感溢れる代表作。プラチナ箔を使った陰影が効果的です。晩年の『雪つばき』は、降り積もった雪が真綿のように岩根椿を包む優しい冬の朝の風景。どこか心象風景と重なるのでしょうか、どれも胸にじーんと伝わるものがありました。

外に出ると雨が本降りに。錦市場まで歩いてお惣菜とお餅それに大藤の千枚漬を買い込み、車に戻って帰路につきました。これからちょっと人並みに大掃除して迎春準備を始めます。

今年も残すところあと4日。ずいぶん冷え込んでまいりました。どなた様もお身体にお気をつけて、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ

| ◆京都 | 11:58 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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泉屋博古館の中国青銅器

日本では縄文人が石槍を持って獣を追いかけていた頃、中国ではいくつもの王朝が誕生していました。絶大な権力を握る王は、祖先の霊を神と崇めてその命に従い天下を統治、盛大な祭祀儀礼を行なって繁栄と安泰を祈っていたということです。古代中国の青銅器は、元は祭壇にお供えするための器、高度な技術でつくられた権威の象徴。だから、だから凄いんです!

京都・鹿ヶ谷にある泉屋博古館を初めて訪ねたのは先月末。時間がなくて、チラッと見ただけでも驚きの青銅器コレクション! 思えば今年は私にとって青銅器元年かも。まず2月に神戸市立博物館の『中国王朝の至宝』で大衝撃そして目からウロコ、その後も3月に白鶴美術館、7月にはミホミュージアム、8月にも奈良国立博物館の仏像館と、青銅器との出合いが続きました。

どこがいいの!?と、思っていました。これまでほとんどスルーしてきました。それはきっと大したものを見てなかったからでしょうね。美術講座で古代中国の神仙思想について聞きかじり、そしてとうとう目覚めてハマりました。図書館で本も借りて来ちゃったりして、パラパラとお勉強もしてみました。するとそれは泉屋博古館名誉館長・樋口隆康氏の著書でした。

2013 中国の青銅器

今回も木島櫻谷の企画展から。最終展示換えで代表作の『寒月』をじっくりと。鈍い月明かりに照らされた一面に雪の積もった竹林を、一頭の狐が辺りを窺いながら足跡を残し横切って行くという、しんとした寂寥感のあるモノクロームの世界。鼻の奥がキーンと冷たくなるような情景です。

次、先を急ぎお目当ての常設展『中国青銅器の時代』へ。時代ごとに4つの展示室に分けて、それぞれ全方向から鑑賞できるガラスケースの中に展示されています。入口には解説をされるボランティアの方もいらして丁寧なのに、残念ながらこちらまで足を運ぶ入場者は少ないようです。紀元前17世紀頃の殷時代から周、漢、唐時代まで、国内トップクラスのコレクションがズラリと並んでいます。

虎ゆう き神鼓と象文じこう
 
まず目を見張るのはそのカタチ。一見素朴なようで実は格調高く典雅なフォルム。龍がいます、虎や象、羊や兎それにミミズクもいます。もちろん人もいます。その背中に羽が生えていたりもします。様々な動物や怪獣が変幻自在に姿を見せるから目が離せません。青銅器には用途によって細かくむずかしい名称がついていますが、見たこともない漢字ばかりで、これはおいおいに。

中国の青銅器 饕餮文

それに何といっても表面に刻まれた文様がいいですね。幾つもの目がじっとこちらを睨み、その間を隙間なく渦が埋め尽くしています。何というか・・・原始のDNAが身体の奥で喜んでざわつく感じ。この獣面文を饕餮文(とうてつもん)と呼びます。神へのお供えを邪悪なものから守るために、怖い顔して睨みを利かせているんですね。他にも蝉や鳥、亀や蛙などの動物文がたくさん。宝探しみたいで見飽きません。

少女の頃’人魚’に憧れたように、今私は’羽人’という響きにとっても憧れを感じてしまうのです。「羽人の国有り、不死の民あり。・・・人、道を得るや、身に毛羽を生ずるなり」と、『楚辞』にあるそうです。青銅器を見ていると、そんなことを信じたくなります。

この後、再び桂離宮へと向います。その様子はまた後日に。

| ◆京都 | 07:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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