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待宵草の薄暮日記

今は趣味三昧の気ままなひとり暮らし。 覚悟をもって毅然と、でも時には誰かのために熱くなる、そんな日々の徒然を綴っています。

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橋本関雪展 兵庫県立美術館

奈良トライアングルミュージアムズの神戸シンポジウムが終わって、すでに4時をまわっていたので、来場者はまばら。作品は、制作年順に展示されています。

橋本関雪展  兵庫県立美術館 橋本関雪展

文展で活躍した頃の、中国の故事を題材にした屏風絵が個性的で、関雪の特徴がよく表現されています。大きく描かれた人物は、一様に切れ長の涼しげな目元にやや憂いを帯び、繊細に描き込まれた木立や葦原などの背景と一体なって、静かな独特の空気感。全体に淡い色調、穏やかで品がよろしいですね。動物画もまた素晴しい。

いかにも裕福で育ちの良い画風で、教養を感じさせて理性的。だからでしょうか、もうひとつ胸に迫ってくるものがないのです、わたしには。これは多分好みの問題でしょうね。

これまでも美術展で何度か作品を目にしてきました。銀閣寺にほど近い白砂村荘・橋本関雪記念館にも何度か訪れています。哲学の道の桜が関雪夫妻の寄贈によるもので、後に関雪桜と呼ばれるようになったという話も好感が持てて興味がありました。集中力が途切れたせいか、今日は感度が低かったみたいです

| ◆兵庫 | 23:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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香雪美術館&白鶴美術館

2日ほどかかって気の滅入ることを片付けたので、久し振りにレンドルミンを飲んでぐっすり眠ると、起きてみたら首から下に力が入らずフラフラ。こんな時こそ気分転換をと、車で神戸へ。

まずは、弓弦羽神社の境内に車を停めて二礼二拍手一礼。社務所に断ってから香雪美術館へ。お庭の緑がよく茂って美しいこと! こちらは、朝日新聞社の創業者・村山龍平氏が蒐集した古美術品を展示するため、広大な敷地に開館した風情ある美術館です。今年で40周年を迎え、記念名品展「室町から江戸の絵画」開催と聞けば、これはもう見逃せませんね。

弓弦羽神社 香雪美術館

いきなり狩野探幽の『四聖人像』、その隣り長谷川等伯『柳橋水車図屏風』、桃山時代と江戸時代の天才絵師が饗宴しています。2階に上がると、雪舟に雪村、岩佐又兵衛に円山応挙や長澤芦雪、森狙仙に酒井抱一等々。展示されている作品数こそ少ないけれど、これだけスター絵師らが並ぶのは貴重です。’お逢いしとうございました’、そう言って三つ指をつきたくなる、いずれも甲乙付けがたい愛しい作品ばかりでウットリ。

飾り羽を高く持ち上げた孔雀と大輪の牡丹を色鮮やかに描いた応挙の『孔雀牡丹図』は華麗。細密に描きこまれた岩佐又兵衛の『堀江物語絵巻』は馬や人物の独特な表情が面白く、雪舟や雪村の静かにひたひたと迫ってくる墨絵にもしびれます。芦雪の『山家寒月図』は、山間にほんのりと浮かぶ月と山頂に描かれた松のシルエットがつくる空気感にグッときますね。

続いて住吉川沿いに坂を上がり車で5分ほどの白鶴美術館へ。白鶴酒造七代嘉納治平衛氏が開館したという素晴しい景観の美術館で、本館と新館に分かれていて春と秋にのみ公開されます。香雪美術館が邸宅美術館なら、こちらは御殿美術館とでも申しましょうか。展示室の大きな窓からは、お庭のせせらぎが聴こえ、向うに海が見渡せます。

白鶴美術館 白鶴美術館
白鶴美術館 白鶴美術館

今回の見どころのひとつは、伝狩野永徳の『四季花鳥図屏風』。いかにも狩野派らしい金碧障屏画ですが、ここに描かれた鳳凰などの鳥たちは一様に眼光鋭く生命力に溢れていて、永徳の勢いを感じます。そしてもうひとつは、円山応挙の『五羽鶴図』。3羽の丹頂鶴と2羽の真鶴が、絶妙の構図と濃淡のバランスで描かれ、透明感のある引き締まった印象です。

展示されてる中国の青銅器をじっくり見ていると、羽人を発見! 「・・・人、道を得るや、身に羽毛を生ずるなり(楚辞より)」と、古代中国の神仙思想に語られる不死の民。羽人の周りには、何かがグルグルと渦を巻いて所々目のようなものが見えます。これこそが'氣’ですね。紀元前2世紀に中国で編纂された淮南子には、宇宙に生じた氣が天と地を創り四季ができて万物になったと、世界の始まりが記されています。古代中国の人々はその'氣’をS字型・C字型、渦や波状線として表現したと、先月美術講座で習ったばかり。早速勉強が役に立っています。

テンションは上がる一方でしたが、足元フラフラ。新館をパスして早目の帰路につきました。

| ◆兵庫 | 07:34 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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「とら・虎・トラ」  西宮市大谷記念美術館

金曜日も外出のついでに、西宮市大谷記念美術館へ。サブタイトルが 「甲子園の歴史と日本画における虎の表現」 とあるように、阪神タイガースに引っ掛けた虎つながりの展示会です。正午過ぎに着いたせいか空いています。

西宮市大谷記念美術館ロビー

まずは、大正・昭和の懐かしいポスターや絵はがきなど。ほー、シンプルでストレートなデザインがレトロですね。職業野球って書いてあります。このあたりはササッと眺めて2階の展示室へ。

入口正面に、長澤芦雪・無量寺の龍図・虎図襖が。2年振りの再会  いつ見ても大迫力!しかも愛らしい。でも今回のお目当ては、芦雪の師・円山応挙の 『水呑虎図』 です。今年1月、85年振りに見つかった作品で、大阪名物・くいだおれ太郎のマネジメント会社 「くいだおれ」 の倉庫に眠っていたというもの。去年、四国の金刀比羅さんを訪ねて、表書院にある虎の間で、散々応挙の虎たちを見てきたのに、飽きないですね~

こちらには近世の錚々たる絵師による虎たちがズラッと並んでいます。森狙仙の 『松下虎図屏風』 は、ふさふさした毛並みで、口元の牙と足元の爪が鋭く重量感たっぷり。島田元旦の 『猛虎図』 は、ビロードのような毛並み。そして応挙のは、さらに細かい毛並みで、水を飲む堂々とした姿。こうしてそれぞれの毛描きを比べてみるのも一興ですね。

他の展示室にも、長崎派・岸派と呼ばれる絵師らの虎が多数。岸駒のユニークな表情の虎もいいですし、特に竹内栖鳳の 『雄風』 は、のびやかな線で描かれた2頭の虎とソテツが淡くぼかしながら彩色された、他と一線を画す趣の作品。虎の表情に深みがあってさすがです。

今週は、いったい何頭の虎を見たでしょうか。動物画って、やっぱり楽しい~

西宮市大谷記念美術館 西宮市大谷記念美術館庭園
西宮市大谷記念美術館庭園 西宮市大谷記念美術館庭園

ぐるりと庭園を一周し、春の香りを堪能。ロビー横にあったカフェが、いつの間にか無くなっていたのはちょっと残念でした。

| ◆兵庫 | 17:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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西宮市大谷記念美術館 「日本画 その妙なる世界」

今日は外出先から車で西宮へ。43号線で夙川を越えると、まもなく左手に案内板が見えます。こんな外観だったかな  何十年振りでしょうか。

西宮市大谷記念美術館

駐車場に車を停めて門を入ると、なんともよい香りが・・・ふと横を見れば、蝋梅が黄色いお花を咲かせてお出迎え。こんな寒い中でも、春の温もりを感じさせてくれます。

やっぱり改築されていますね。広々したエントランスロビーは、滝が流れる美しい庭園が一望できる全面ガラス張りになっています。かの有名な足立美術館(島根県)のロビー風で、なかなか清々しい空間です。

今回は開館40周年ということで、コレクションの中から近代日本画家の作品が紹介されています。まずは富岡鉄斎、山下摩起、橋本関雪、下村良之介の大作から。山下摩起の『雪』は、鉄斎のゴツゴツした感じとも違って、荒々しいタッチで繊細な冬の詩情を表現した不思議な魅力のある六曲一双の屏風絵で、じっくり眺めるほど味わい深いですね。

このほか橋本雅邦、竹内栖鳳、上村松園、横山大観、伊東深水、山元春挙、川端龍子、福田平八郎など有名どころがズラリ。川合玉堂の作品は、所蔵する8幅すべてを一同に展示されていて見ごたえがありました。

疲れたらロビー横にカフェもあります。庭園を一周すると、蝋梅が並んでいて香りにうっとり  素敵な美術館ですね。これで入場料300円は安い!

帰り、近くのビゴの店に寄ってパンとクレープを買い、本日の予定を終了しました。

| ◆兵庫 | 08:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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特別展 「 中国 王朝の至宝 」

夜になっても、まだ興奮がおさまりませんでした。昨日は何か凄いものを見た気がします。日中国交正常化40周年を記念して、神戸市立博物館で開催中の特別展 「中国 王朝の至宝」 です。

昨今の微妙な日中関係に鑑みれば、何故この時期にという疑問や多少の反発がないわけではありませんが、古代中国の文化に触れる貴重な機会を逃すわけにもいきません。日本でいえば、このところ毎年訪れている奈良国立博物館の正倉院展のイメージでしょうか?!

博物館に着いたら、音声ガイドを借りてスタンバイ、そして3階入口から。最初に現れた展示物を見た瞬間、ゾクッ  いきなり圧倒され冷静ではいられなくなりました。それは、殷~西周時代 (前12~前10世紀) の金製仮面と金製漏斗形器。手の中に納まるほど小さな仮面が、光り輝きながら3000年の向うからじっとこちらを見ています。また金製漏斗形器の鋭角的なフォルムの何と美しいこと!

中国の古代史なんて大昔に教科書で習った程度で記憶のかなた。パネルを読んで、にわか学習をしながら頭に年表を浮かべてまわります。

殷時代の三足の青銅器がお気に入り。ちょっと愛らしくユーモラスな動物をかたどった戦国時代の青銅容器・犠尊 (ぎそん) や、秦時代の兵馬俑の一種で大迫力の跪射俑 (きしゃよう) 、それに南京市長干寺 (ちょうかんじ) から出土した北宋時代のきらびやかな仏塔・阿育王塔 (あいくおうとう) など、見どころがそこここにあり、もう多すぎてフラフラです。

それもそのはず、合計168点の展示物の約6割が国宝級の 『一級文物』 だとか。しかも、正倉院展と違って、どれもみな状態が美しいですね。金は金色に輝き、青銅は青銅色に、大理石は乳白色にちゃんと見えて、磨き上げたかのように色がくすんでいないのは何故でしょうか? また、照明も比較的明るめで、ストレスなく鑑賞できるのはありがたいです。

栄華を極めた中国王朝の、華麗なる文化を伝える至宝の数々。出会えて幸せ  この満足感はしばらく続きそうです。

中国 王朝の至宝

| ◆兵庫 | 14:26 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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香雪美術館 「人間国宝・江里佐代子の截金(きりかね)」

昨日は午後から時間が空いたのを幸いに、いそいそと香雪美術館へ。車はいつものようにお隣の弓弦羽(ゆずるは)神社に停めて、まずは参拝。お賽銭を投げ入れて二拝二拍手一拝。社務所に断りを入れると快くOKしてくださいます。

香雪美術館 江里佐代子展 香雪美術館

截金というのは、金箔・銀箔・プラチナ箔をそれぞれ焼いて貼り合わせ厚みをもたせたものを竹刃で細く切り、膠などを用いて筆で貼り付けながら文様を描く技法のことです。仏像や仏画の衣や装身具を荘厳(仏のからだを厳かに飾ること)する技術で、仏の尊格の高さや超越性を表現するためには欠かせません。

江里佐代子さんは56歳の若さで人間国宝に認定された截金師で、ご主人は仏師の江里康慧氏。以前何気なくつけたテレビで江里さんの作業風景が紹介されていて、しなやかな手先からするすると繊細な文様が出来上がるのを見て、目が釘付けになったのを覚えています。

今回は、ご夫妻で制作された仏像のほか、香盒、飾筥、衝立などの作品が展示されています。どの作品も角度を変えて眺めてみると、精緻な幾何学文様が立体的に浮かび上がり、鮮やかに光を放ちます。ふ~む、これ以上の装飾ってあるのでしょうか。

それにしても62歳という早すぎる死が惜しまれます。

| ◆兵庫 | 17:26 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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南蛮美術の光と影 ~泰西王侯騎馬図屏風の謎~ 

昨日は午後から神戸 旧居留地の神戸市立博物館へ。阪神高速神戸線は左手に海、右手間近に山が青々と迫り、お気に入りのアプローチ。久し振りの神戸です。

実は、ちょっと覘いておこう、ぐらいの感じで、あまり期待していませんでした。というのも、当然ながらスペイン・ポルトガルからキリスト教などが伝来した16世紀半ば桃山時代の作品が中心で、時代的に私の範疇ではないような気がしていましたし、南蛮美術といえば西洋画を真似た日本画というイメージが強く、完成度としてどうなのかという疑問をもっていました。

まずは音声ガイドを借りてスタンバイ。入ってすぐ目を引くのが、六曲一双の南蛮屏風3隻。金地に南蛮ものを描いた狩野派の伝統的な日本画ですが、進取の気風に溢れ、勢いのある堂々とした佇まいです。南蛮船を配した動きのある構図で、人々の様子が生き生きと描かれていて、隅々まで眺めているといろんな発見があって楽しい!

見どころは、やはりサブタイトルに『泰西王侯騎馬図屏風の謎』とあるように、イエズス会のセミナリオ(教育機関)で西洋の遠近法や陰影法を学んだ日本人が描いた初期洋風画である四曲一双の屏風。 神戸市立博物館とサントリー美術館とで分蔵されていますが、もとは福島 会津城の障壁画であったと伝えられています。

図柄は西洋の王8名が騎馬に乗った勇壮なもの。金地に墨や岩絵具で彩色された日本画です。右隻と左隻とでは微妙に印象が違うのは、金箔の厚さや純度に差があるからと最近の調査で判明したそうです。数奇な運命に翻弄されながらもようやく出会えた一双の屏風なのでしょうか。

音声ガイドから流れる教会音楽を聞きながら、この時代に花開いた南蛮文化が、キリシタン弾圧や鎖国によって消え去っていく短い歴史に想いを馳せると、なんだか気持ちがしんとなります。

外に出ると、潮の香りがしました。

| ◆兵庫 | 16:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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香雪美術館 「片岡球子 生命(いのち)あふれる」

昨日春めいた暖かな日差しの中、神戸の御影へと車を走らせ、香雪美術館に向かいました。と、その前に気になっていた阪急岡本駅前のパン屋さん「フロイン堂」でお買い物。

昔風の素朴な店構えも好ましく、今時すべて手捏ねで、しかも薪を燃やしてレンガの窯で焼き上げるという手間隙かけたパンが美味しくないはずがありません!!
今日は田舎パンとクルミパン、それにぶどうドーナッツを買いました。あーいい香り♪

フロイン堂

外は香ばしく硬め、中はもっちりとして噛むほどに小麦の美味しさが広がります。田舎パンはレーズンとクルミがぎっしり。ついで買いしたぶどうドーナッツは望外の美味しさ。もっちりした食感であと味さっぱり。家に帰ってから写真撮るの忘れてガツガツ食べちゃいました。

人通りの多い駅前を抜けようとして、偶然岡本梅林に辿り着きました。近くの岡本八幡神社に車を停め、しばし梅林を散策。結構急斜面にあるんですね。梅の花はまだ6、7分咲きというところでしょうか。

岡本梅林

坂を下ってようやく香雪美術館に到着。お隣の弓弦羽神社の駐車場をお借りしました。

迚・イ。逅・ュ仙ア廟convert_20120322024327香雪美術館

見覚えのある「富士山」シリーズは、103歳で亡くなられた日本画家、片岡球子さん晩年の作品です。野太い線でどっしりと描かれた富士山は、時に赤く時に青く鮮やかに彩色され、花や木々を手前に大きく配する大胆な構図で、どれも生を謳歌するエネルギーで満ち溢れています。見ていて元気が湧いてくるようです。あと浮世絵師らを描いた「面構(つらがまえ)」シリーズや、初期の繊細な筆致の作品もあり、展示は約30点と少ないながら楽しめました。

お次はマダム御用達とか聞いていた蘇州園でランチのはずでしたが、時すでに遅くランチタイムは終了。仕方ないからお茶とデザートでがまんすることにしました。

蘇州園蘇州園

旧財閥の別邸だっただけにロケーション、お庭、建物は素晴しいです。インテリアもおしゃれ。周囲に猫が多いのも別にいいんです。でも・・・なんか期待はずれ。

実は私、接客サービスにはとても敏感で辛口なんです。こちらはスタッフ一人ひとりが主張しすぎで、慇懃(いんぎん)だけど角があって気配りが足りないんですね。成熟度が低いとでも言いましょうか。お客に寄り添っていないサービスはやっぱり居心地悪いです。おまけに頼んだカフェラテは冷めて生温く残念な印象。まっ、巷にはよくあるのですが。

青空の下、そんなこんなで充実した楽しい1日となりました。

| ◆兵庫 | 04:03 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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