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待宵草の薄暮日記

今は趣味三昧の気ままなひとり暮らし。 覚悟をもって毅然と、でも時には誰かのために熱くなる、そんな日々の徒然を綴っています。

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特別展 みほとけのかたち

これはなかなか得がたい機会でした。ようやく猛暑も一段落、今週もふたたび奈良へ。奈良国立博物館周辺は人影もまばらです。

現在開催中の特別展には、関西各地のお寺から多くの仏像と仏画が出展されています。今回は、かたちにこだわった鑑賞ポイントに分けて展示されており、私のような仏像初心者にもわかりやすく興味の持てる内容。夏休みを意識して上手く工夫されていますね。いつものように音声ガイドを借りて中へ。

まず入口正面に、元興寺の薬師如来立像。ゆったりと衣をまとった丸みのあるどっしりと安定感のあるお姿と、見晴るかす静かな眼差しからは、光のように慈愛が降り注いでいます。カヤの木の一木造で、以前は隣のなら仏像館におられました。

赤々とした炎を背に忿怒の表情で睨みつける浄瑠璃寺の馬頭観音菩薩像や、精緻な造りと鮮やかな彩色で小さいながら(40センチ足らず)迫力ある海住山寺の四天王像など、次々と目を見張る様々な仏像が並んでいます。絹本に描かれた兵庫県・太山寺の十一面観音菩薩像の前で足が止まりました。左手に水瓶をとり右手を垂下して手首に数珠をかけ袈裟をまとう、長い髪と愁いをおびた表情が何とも美麗な菩薩像です。

心を澄ませてじーっと眺めていると、たちまち魅入られて身体から魂が抜けだしてしまいそう。浄土というものを信じたくなります。思わず手を合わせて阿弥陀如来の来迎を祈りたくなります。古の人々もまた仏像を前にして、自然と手を合わせていたのでしょう。そうしてたくさんの祈りが重なり合って霊験となるのでしょうか。

一旦外に出て奈良町の粟でランチ休憩、その後戻ってなら仏像館へ。新聞にもありましたが、先日の豪雨で雨漏りし一部の仏像が濡れてしまったとか。展示室も一部閉鎖されていました。

とにかく一度にこんなにたくさんの仏像を見るのは初めてです。月曜日にも日本仏教美術の講座で’平安時代の仏師と仏像界’について、またアジアの宗教美術講座では’感得仏の世界’について講義を受けたばかりで、今週は仏像三昧。というか、頭の中が混沌とするばかりで整理がつかずぐちゃぐちゃです。

家に帰って何気にポストをのぞくと、何と今年もまたMBS主催・音舞台の招待状が届いていました 今回は東寺で開催されます。そしてこちらにも弘法大師空海が創った立体曼荼羅に数々の仏像が・・・ ありがたく拝受いたしました

みほとけのかたち みほとけのかたち

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| ◆奈良 | 23:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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残念すぎる美術館

奈良県庁の北側、奈良県警察本部の隣にひっそりと建つ奈良県立美術館で、『曾我蕭白と中近世美術の精華』と題して、開館40周年記念の館蔵名品展が開催されています。曾我蕭白は、昨年三重県立美術館の『蕭白ショック!!』展で十分過ぎるほど堪能させていただきましたが、小袖姿の美人図に惹かれて猛暑日記録更新中の奈良へ。

人気のない受付でチケットの半券を切ってもらうと、10時からボランティアによる展示解説があるとのこと。これはラッキー、ぜひお願いしますと2階に上がってみれば展示室には先客が1人、間もなく解説係が来て挨拶。その後もう1人ご一緒に。

そして解説係が話し始めました、「ソガ ショウセキの・・・」。
はあっ?! 誰それ!! 耳を疑いました。

それから以降の解説と称するものは、誰でもわかる見たままを説明するだけで、ちびっこ相手でもあるまいし「きれいでしょう」「私もわからないけれど」と何の美術観もなく、あまりの稚拙さに顔を見合わせ唖然。これは、静かな鑑賞を邪魔する、ただの素人の雑談です。

呆れ返って途中からは解説係と離れました。これなら、初めから詳しく書かれた解説パネルをじっくり読んだ方が良かったと悔やまれます。仮にも県立とされる美術館で、ボランティアといえどもこれほどレベルの低い解説というのは、来場者に失礼ではないでしょうか。展示された作品が泣いています。

古都奈良の中心、観光客も多く立地も良い。周囲には奈良国立博物館や興福寺の国宝館、それに東大寺ミュージアムと見どころが集中し、美術ファンが何度も足を運びます。なのに・・・なのに何とも惜しい、残念すぎる美術館でした。

曾我蕭白と中近世美術の精華 曾我蕭白と中近世美術の精華

| ◆奈良 | 01:30 | comments:9 | trackbacks:1 | TOP↑

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京都国立博物館の夏期講座 & 特別展観 『遊び』

7月31日~8月2日の3日間、毎年人気で競争率の高い京都国立博物館の夏期講座が、今年は『古社寺と文化財』というテーマで開催され、初めて受講してきました。会場の狭い座席はギッシリと参加者で埋め尽くされ、かなり息苦しい状態 高齢者が7~8割を占め、そこはかとなく加齢臭が・・・ 朝10時からだいたい4時過ぎまで、結構ハードです。

講師の方々は、テーマに沿ってそれぞれご専門の研究成果を発表されます。当然ながらいろいろな社寺が紹介され、何の宗派でどんな意味のある文化財なのかという解説になりますが、宗派の違いがわからない私にはチンプンカンプンなことも

驚いたのは、この博物館が明治30年に開館され、大正13年には夏期講座をスタートしていたということ。歴史ありますね~ 明治維新直後の廃仏毀釈で様々な仏教的なものが破壊される中、明治4年、政府により’古器旧物保存方’が布告され、各地方官庁で古品物のリストアップが始まって、明治21年には’臨時全国宝物取調局’が設置され調査が行なわれると同時に、社寺の宝物を保存するための施設である博物館が東京・奈良・京都に次々と開館。明治30年に’古寺保存法’が制定されるに至って、ほぼ現在の’文化財保護法’の原型が出来上がったらしいです。

もし明治の初めに保存を提言する人たちがいなければ、私たち日本人は、それまでの歴史的伝統的な文化財の多くを失い、そして自らのアイデンティティーすら無くしていたかもしれません。なるほど、博物館ってそんな役割を担っていたのですね。勉強になります。

夏期講座の最終日の午後からは特別展観『遊び』の見学でしたが、一人で自由に見たいからパスして、日を変えてミホミュージアムの帰り寄ることに。3時を過ぎていたので駐車場は空いてましたが、いつの間にか有料になっていました。

京都国立博物館は、長い間建替え工事をしていた平常展示館が、来年春にようやく「平成知新館」としてリニューアルオープンするそうです。覆いが取られてやっとその全容が見えてきました。楽しみです

京都国立博物館 平成知新館 京都国立博物館 本館

今回の展示は、遊びに関するお道具類やお人形、遊びを写した絵画や衣装など。お目当ては応挙の『唐子遊図襖』と芦雪の『群猿・唐子図屏風』。芦雪の右隻・群猿図は、太い刷毛で描かれた黒々とした岩塊と赤い蔦に3匹の猿。その人を食ったような猿の表情が、いかにも芦雪といった感じ。印象的だったのは土佐光起の『紅葉図』。国宝・一品経和歌懐紙の扉絵として描かれたもので、箔を散らして茜色にぼかした背景が紅葉の赤を柔らかく引き立てる風雅な絵です。優しい色合いに癒されますね。

狩野元信の『京洛年中行事図扇流屏風』は、千鳥が飛び交う川に扇が流れていくという’扇流し’の趣向で、扇面には京都の各所・祭礼・行事などが描かれています。扇面貼交屏風にこうした手法があることを初めて知り興味深かったです。

遊び 遊び

この日は美術館→博物館とはしごして、もう目がショボショボ。安全運転で帰路につきました。

| ◆京都 | 14:59 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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ふたたびミホミュージアムへ。ファインバーグ・コレクション展

我ながら、こんな山の中まで2度もよく足を運ぶものだと苦笑しながら、乗り換えたばかりの新車を駆ってミホミュージアムへ。今見ておかないと一生見られないかも、そう思うと居ても立ってもいられません。ファインバーグ・コレクション展は2回展示換えがあって、今回は3期の最終展示になります。

11時半頃に着くと、駐車場にはズラリと車が並び大型バスも停まっていて、前回と様子が違っていました。レセプション棟では、美術館棟へ行く電気自動車を待つ長い列が。大した距離でもないので日傘を差して歩くことに。幸い途中のトンネルでは天然のクーラーがよく効いてひんやりといい気持ちです。

ミホミュージアム 美術館棟 ミホミュージアム4

玄関を通って展示室へ。まずは前回同様、鈴木其一の『山並図子襖』と『松島図小襖』から。所々に1期と重なる展示もあって嬉しい再会もあり、初めて知る絵師の作品も多数あります。与謝蕪村の弟子という紀梅亭の『蘭亭曲水図』は、点描のような細密な表現で、ほとんど余白を残さず墨の濃淡で描き込んだ迫力ある絵。ほんのりした朱色が隠れていてどこか温かみを感じます。岡田米山人、山本梅逸、福田古道人は、それぞれ高い精神性を感じる奥深い作品。

途中小さく区切られて照明を落とした展示スペースに入って、ハッと息を呑みました。黒い壁に掛けられていたのは、正面に谷文晁の『秋夜名月図』、左に岸駒の『滝に鷹図』、そして右に円山応挙の『孔雀牡丹図』。左右170cmの絵絹に、仲秋の名月とたおやかにのびる葦が墨一色で描かれたその絵からは、秋の静寂が広がっていました。見ている私自身も月に照らされているような不思議な空気感。いつまでも立ち去りがたい想いです。

他にも森狙仙の真骨頂、猿を描いた『滝に松樹遊猿図』はさすが。長沢蘆雪や曾我蕭白は、奇想の絵師というほどでもない大人しい絵でちょっと物足りないかも。今回も浮世絵は充実しています。美人画の色使いなど惚れ惚れしますね。表装も凝っていて粋でお洒落です。

後から思い出されるのは、竹内栖鳳の『死んだ鶴図』。嘴に縄を結わえて吊るされた鶴の絵です。ズシリと重量感が伝わってきて、どんよりと死の重みを感じる虚無の世界。どんな想いで描いたのだろうかと知りたくなります。

その後、B1にあるガラス張りで見晴らしのいい喫茶室「Pine View」でコーヒーとサンドイッチを。無農薬野菜がとっても美味しくておススメです。帰りは電気自動車に乗ってレセプション棟へ。愛車に戻って、次は京都国立博物館へと向かいます。

| ◆その他 | 01:26 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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オー・ソレ・ミオ 素晴しきナポリ音楽とカンツォーネ

日曜日はイタリア・ナポリターナ楽団の演奏を聴きにザ・シンフォニーホールへ。『サンタ・ルチア』『カタリ』『フニクラ・フニクラ』など、馴染みのあるプログラムのせいか高齢者が多いですね~かく言う私も高齢者同伴です。

南イタリアらしいアコーディオンとマンドリンが奏でるほどよく軽い音楽にのせて、男性歌手と女性歌手が交互に、ときにデュエットで歌います。さすがイタリアーノ、指揮者も演奏者も明るく陽気。ユーモラスなおふざけもあって、後ろの客席では笑い転げる人も。

ナポリといえば、ぼったくりタクシーに騙されて悔しかった思い出が。青い空と海が印象的でした。おおらかで情熱的、喧しくてちょっとお節介、人生を楽しむことこそが至上の喜び。どこかの国にも似たような都市があったような・・・って、大阪?!

どの程度のレベルなのかよくわかりませんが、深く考えず手拍子を打ちながら身体を揺らして楽しめる、かなり庶民的な音楽会でした。高齢者も元気になるようです。

イタリア・ナポリターナ楽団

| クラシック | 06:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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七月大歌舞伎

7月末は久し振りに松竹座へ。今回は歌舞伎初体験という先輩と七月大歌舞伎 夜の部を観劇。まずはタカシマヤの地下で、なだ万のお弁当を奮発します。開場を待って中に入り、今回初めてイヤホンガイドを借りることに。華やいだエントランスやメインロビーを通って2階1列目の席に到着。周りを見渡すと、千穐楽1日前のせいか空席も見受けられ、どことなく活気に欠けるような雰囲気です。

演目は『曽我物語』『一條大蔵譚』『杜若艶色紫』。うーん、初心者にはちょっと地味だったかも。確かに片岡仁左衛門の大蔵卿は演じ分けが素晴しく、中村扇雀の八ッ橋や芸者衆が登場する場面の杜若づくしは風情があって綺麗でした。歌舞伎通なら面白いと思いますが、幕間以外にも場面転換の休憩が細切れに入るし、特に最後の演目はおどろおどろしい世話もので、裏切りや凄惨な人殺しなどが次々展開し内心ビックリ。

実は、いつもはパンフレットの簡単な解説と見どころに目を通すだけなので、多分8割ぐらいしか芝居の内容を理解できていません。イヤホンガイドを利用すると内容はよくわかりますが、どうも感動がもうひとつ。耳でストーリーを追いかけるより、わからないなりに五感を総動員して全身で感じる方が味わい深く、余韻が残るような気がしました。

十月花形歌舞伎(松竹座)とアマテラス(南座)は、大阪府民の特権 ’府民のための半額鑑賞会’に申し込み済み。どうか抽選に当たりますように

七月大歌舞伎

| 歌舞伎 | 21:02 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

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