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待宵草の薄暮日記

今は趣味三昧の気ままなひとり暮らし。 覚悟をもって毅然と、でも時には誰かのために熱くなる、そんな日々の徒然を綴っています。

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皇室の名品展 & 生誕100年 佐藤太清展

果たしてこんな気忙しい年の瀬に美術館へ足を運ぶような暇人などいるのだろうかと後ろめたい気持ちで出かけてみれば、意外にも京都国立近代美術館は結構混み合っていました

皇室の名品展  皇室の名品展

今年最後の美術館めぐりは、締め括りに相応しく宮内庁三の丸尚蔵館が所蔵する選りすぐりの近代日本美術と工芸品の数々から。3階の展示室に入ると、明治宮殿の壁クロスや天井が再現されて重厚な雰囲気が漂う中、象嵌・七宝・蒔絵・綴錦などの装飾品がズラリ。そのあと明治期の画壇を賑わせた画家らの日本画へと続きます。(凄すぎて、もう解説不可能

それほどゆっくり観ていたわけでもないのに、気が付けば2時間経過。夢中になっているとホント時間忘れるんですね。ありえないほどの眼福にあずかることができました。

お昼は北野天満宮前のとようけ茶屋で生麩丼と生ゆば丼とねぎ揚げを半分こ。いつもながらお味もコスパも◎ですが、30分も並んだのは想定外。数軒隣の粟餅所・澤屋でお土産を買って三条烏丸に戻ります。亀末廣に立ち寄り、例によって京のよすがを買い求めてから京都文化博物館へ。

生誕100年 佐藤太清展

TVで紹介されているのを見たとき、既に心に響くものがありました。思わずメモして絶対観に行こうと決めていた佐藤太清展です。複雑な絵ではありません。風景や自然の一部をズームアップしています。しかし、そこに描かれた情景と、そこから垣間見える作者の心の機微や心情に胸を打たれるのです。

代表作の一つでもある『かすみ網』は、鮮烈な印象。ここに描かれているのは、様々な鳥たちが網にかかって逆さまになりながら、やがて目をつぶって動かなくなる死を直前にした光景。静かにじっと見つめる画家のまなざしが感じられます。年代別に見ると、随分画風が変わってきているようです。特に50歳を越えたあたりからの絵が素晴しい。『風騒』は、木の上に群れる鷺たちが突然の夕立に驚き騒ぐ一瞬を捉えた緊張感溢れる代表作。プラチナ箔を使った陰影が効果的です。晩年の『雪つばき』は、降り積もった雪が真綿のように岩根椿を包む優しい冬の朝の風景。どこか心象風景と重なるのでしょうか、どれも胸にじーんと伝わるものがありました。

外に出ると雨が本降りに。錦市場まで歩いてお惣菜とお餅それに大藤の千枚漬を買い込み、車に戻って帰路につきました。これからちょっと人並みに大掃除して迎春準備を始めます。

今年も残すところあと4日。ずいぶん冷え込んでまいりました。どなた様もお身体にお気をつけて、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ

| ◆京都 | 11:58 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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ふたたび桂離宮、初冬編

11月紅葉の真っ只中に訪れた桂離宮。彩りの美しさに目を奪われ、アッという間に参観時間は終了となり不完全燃焼。ということで、初冬の桂離宮にもう一度。いつもなら案内係の方のすぐ後ろを歩くところ、今回は作戦を変更して最後尾に。少し余裕を持って自分なりの時間を過ごしたいという思いがありました。

まずは表門から続く御幸門(みゆきもん)へ。立派な茅葺切妻屋根です。最後まで粘ってカメラを向けていたら、後ろで「列についていってください!」と皇宮警察の方の硬い声が 小石を敷き詰めた御幸道を通って外腰掛(そとこしかけ)へ。こちらは、休憩したり身なりを整えたりするところだそうです。前庭のソテツは藁を巻かれて早々と冬支度。

2013 桂離宮 御幸門 2013 桂離宮 外腰掛

池に出ると、州浜や天の橋立の向うに茅葺入母屋造りの茶室・松琴亭(しょうきんてい)が見えます。石橋を渡って松琴亭へ。茶室内は、青と白の市松模様の襖が斬新。どれほど雅なお茶事が催されたであろうかと想像させる、行き届いた心憎い設えが色々ありますね。

2013 桂離宮 松琴亭 2013 桂離宮 石橋
2013 桂離宮 松琴亭 2013 桂離宮 松琴亭

後から遅れがちについていくと、「早く行ってください!」と皇宮警察の方から2度目の注意 ここからちょっと登りです。足元を確かめながら飛び石の上を慎重に歩いていきます。登りきった所にある茶屋風の賞花亭(しょうかてい)で一休み。

2013 桂離宮 賞花亭

中島を望みながら斜面を下ると、ここだけ瓦屋根の持仏堂・園林堂(おんりんどう)です。土橋を渡り、四角に入り込んだ池をぐるりと回って笑意軒(しょういけん)へ。田舎屋風の茶室で、奥まっているので隠れ家っぽい!?

2013 桂離宮 2013 桂離宮 園林堂
2013 桂離宮 笑意軒 2013 桂離宮 笑意軒

そして桂離宮の中枢、新御殿・中書院・古書院の前を通って茶室・月波楼(げっぱろう)へ。屋根裏の竹の垂木が、舟の底のような形に組んであります。最後に中門をくぐって御興寄(おこしよせ)へ。やんごとなき方々は、こちらからお出入りされるようです。

2013 桂離宮 御殿
2013 桂離宮 月見台 2013 桂離宮 月波楼 2013 桂離宮 月波楼

周囲約1キロの池泉回遊式庭園は、切石と自然石を組み合わせた延段(のべだん)や飛石を配し、土橋・板・石橋で変化をつけて、複雑に入り組んだ池の周りを趣向を凝らして巧みに演出。自然を優美に凝縮しています。

さすがに2度目は落ち着いて見学できました いつかまた桜の頃に訪れたいですね。

| ◇京都 | 06:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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映画 『利休にたずねよ』

たまにはこんな映画をひとり静かに観るのも悪くないですね。今日は水曜レディスデイ。

思っていたより海老蔵さんが善戦してます。原作は知りませんが、亡くなられた団十郎さんとの親子共演ということもあり、どんな風に利休を演じているんだろうかと興味がありました。確かに所作は美しい。感情を抑えた含みのあるセリフがストーリーを引き締めています。

求道者が真理を極めようとするように利休も美を探究、美もまた真理、ということでしょうか。忘れていたお茶室の緊張感が蘇ってきました。あの時間が今ではとても懐かしい。

| その他♪ | 06:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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泉屋博古館の中国青銅器

日本では縄文人が石槍を持って獣を追いかけていた頃、中国ではいくつもの王朝が誕生していました。絶大な権力を握る王は、祖先の霊を神と崇めてその命に従い天下を統治、盛大な祭祀儀礼を行なって繁栄と安泰を祈っていたということです。古代中国の青銅器は、元は祭壇にお供えするための器、高度な技術でつくられた権威の象徴。だから、だから凄いんです!

京都・鹿ヶ谷にある泉屋博古館を初めて訪ねたのは先月末。時間がなくて、チラッと見ただけでも驚きの青銅器コレクション! 思えば今年は私にとって青銅器元年かも。まず2月に神戸市立博物館の『中国王朝の至宝』で大衝撃そして目からウロコ、その後も3月に白鶴美術館、7月にはミホミュージアム、8月にも奈良国立博物館の仏像館と、青銅器との出合いが続きました。

どこがいいの!?と、思っていました。これまでほとんどスルーしてきました。それはきっと大したものを見てなかったからでしょうね。美術講座で古代中国の神仙思想について聞きかじり、そしてとうとう目覚めてハマりました。図書館で本も借りて来ちゃったりして、パラパラとお勉強もしてみました。するとそれは泉屋博古館名誉館長・樋口隆康氏の著書でした。

2013 中国の青銅器

今回も木島櫻谷の企画展から。最終展示換えで代表作の『寒月』をじっくりと。鈍い月明かりに照らされた一面に雪の積もった竹林を、一頭の狐が辺りを窺いながら足跡を残し横切って行くという、しんとした寂寥感のあるモノクロームの世界。鼻の奥がキーンと冷たくなるような情景です。

次、先を急ぎお目当ての常設展『中国青銅器の時代』へ。時代ごとに4つの展示室に分けて、それぞれ全方向から鑑賞できるガラスケースの中に展示されています。入口には解説をされるボランティアの方もいらして丁寧なのに、残念ながらこちらまで足を運ぶ入場者は少ないようです。紀元前17世紀頃の殷時代から周、漢、唐時代まで、国内トップクラスのコレクションがズラリと並んでいます。

虎ゆう き神鼓と象文じこう
 
まず目を見張るのはそのカタチ。一見素朴なようで実は格調高く典雅なフォルム。龍がいます、虎や象、羊や兎それにミミズクもいます。もちろん人もいます。その背中に羽が生えていたりもします。様々な動物や怪獣が変幻自在に姿を見せるから目が離せません。青銅器には用途によって細かくむずかしい名称がついていますが、見たこともない漢字ばかりで、これはおいおいに。

中国の青銅器 饕餮文

それに何といっても表面に刻まれた文様がいいですね。幾つもの目がじっとこちらを睨み、その間を隙間なく渦が埋め尽くしています。何というか・・・原始のDNAが身体の奥で喜んでざわつく感じ。この獣面文を饕餮文(とうてつもん)と呼びます。神へのお供えを邪悪なものから守るために、怖い顔して睨みを利かせているんですね。他にも蝉や鳥、亀や蛙などの動物文がたくさん。宝探しみたいで見飽きません。

少女の頃’人魚’に憧れたように、今私は’羽人’という響きにとっても憧れを感じてしまうのです。「羽人の国有り、不死の民あり。・・・人、道を得るや、身に毛羽を生ずるなり」と、『楚辞』にあるそうです。青銅器を見ていると、そんなことを信じたくなります。

この後、再び桂離宮へと向います。その様子はまた後日に。

| ◆京都 | 07:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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サントリー1万人の第九 2013

1日の日曜日は、12月恒例の 『サントリー1万人の第九』 コンサートでした。お日柄も良く見上げれば雲一つない青天、大阪城ホールに向かうとOBPの高層ビルが太陽を映してキラキラ光っています。

指揮・総監督が佐渡裕さん、今年のゲストは加山雄三さんと朗読に仲間由紀江さん、中継で繋ぐ東北・仙台会場に華原朋美さんとLe Velvets。司会が去年までの小倉智昭さんに代わって羽鳥慎一さん。そして4人のソリストと堂々たる圧巻の1万人の合唱団!! 今年はいつものスタンド席ではなくアリーナ席。チケットの販売もほとんどがアリーナ席だったので、なんで?!と不思議に思っていたら・・・わかりました。何とステージのレイアウトが変わったのですね。

第1部はオリンピックファンファーレとテーマ曲から始まりました。加山雄三さんの『君といつまでも』『海 その愛』、華原朋美さんの『LOVE IS ALL MUSIC』、加山雄三さんの『アメイジング・グレイス』と続きます。東日本大震災の後しばらく歌えなくなったという『海 その愛』を、東北の方からの「海が悪いんじゃない」という言葉で再び歌い始めたというお話にジーン。

休憩をはさんで第2部は仲間由紀江さんの朗読から。そして、ベートーヴェン「交響曲第9番ニ短調作品125」が始まりました。合唱を楽しみにしている身には、正直第4楽章までが結構長いんですね。合唱団の方々も姿勢を正してジッとその時を待っておられます。

ようやく第4楽章、佐渡さんのオペラでもお馴染みのソリスト、キュウ・ウォン・ハンさん(バリトン)、西村悟さん(テノール)、並河寿美さん(ソプラノ)、手嶋眞佐子(メゾソプラノ)のハリのある伸びやかな美しい歌声が響き渡ると、いよいよ1万人が一斉に立ち上がり大合唱が。

おお、すごい! まるで合唱の渦の中にいるようです。正面からテノール・バス、左からはソプラノ、右からはアルトが大音量で攻めてきます。レイアウトを変えた成果でしょうか、こんな大会場なのに音のズレをほとんど感じません。佐渡さんのタクトに1万人がひとつになっています。
素晴しい!ブラボー

指揮を終えた佐渡さんは、精も根も尽き果てたようにフラフラ。みんな感動してウルウル。12月23日(月・祝)15:55~16:53に、TBS系列8局ネットでTV放映されます。

もう一度、ブラボー!!!

| クラシック | 17:55 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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