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待宵草の薄暮日記

今は趣味三昧の気ままなひとり暮らし。 覚悟をもって毅然と、でも時には誰かのために熱くなる、そんな日々の徒然を綴っています。

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11月の とある一週間

・火曜日 第66回 正倉院展 奈良国立博物館

毎年出掛ける秋の恒例行事です。1、2時間の行列は必至、故に午後からゆっくり家を出発。車を止めたら、まずは近くの依水園へ。三秀亭でお善哉をいただきながら、三山を望む庭園の色づき始めた紅葉を眺めほっこり

依水園依水園依水園

奈良国立博物館に着くと時刻は3時過ぎ。すでに行列はなくスムーズに入館できましたが、展示室は相変わらずの混雑振り。聖武天皇ゆかりの宝物に目を見張りながら、遠き天平文化に思いを馳せて楽しみます。

正倉院展
パンフレットより
今年の見どころの一つが、聖武天皇が寝室に飾ったといわれる『鳥毛立女屏風』。6扇のうち4扇が展示され、優美な天平美人が並ぶ空間はひときわ華やか。単眼鏡でじっくりお顔を覗くと、あまりに美しいので係りの人に尋ねてみれば、やはり修復をされているとのことでした。

単眼鏡を購入してから改めてその魅力に気づいたのが銅鏡です。肉眼ではわからない鏡背文様を見てみると驚くべき細密さで、しかもデザインが本当に素晴らしい。白銅製の『鳥獣花背方鏡』もため息ものでした。

好きなものだけジックリ、他はアッサリ、というのがこのところの正倉院展鑑賞法。これが毎年続けて来るための秘訣です。

正倉院展  正倉院展

・水曜日 南山城の古寺巡り

この春、京都国立博物館で開催されていた特別展覧会『南山城の古寺巡礼』を観たときから惹かれていました。のどかな木津川周辺をドライブしながらお寺を巡り、博物館で出会った仏像のふるさとを訪ねます。

門真からR163経由で、まずは海住山寺へ。参道の細い上り坂はなかなかの傾斜。海住山の中腹にある自然に囲まれた渋い山寺です。こちらは聖武天皇が良弁僧正に勅して建てさせたのが始まりとか。文化財特別公開期間中ということで、国宝の五重塔の内陣や十一面観音立像などを拝観します。

海住山寺 海住山寺

本堂に上がると、足元に置かれたフツーのガラスケースに小ぢんまりと納められた重文の四天王立像を発見 奈良国立博物館で一目惚れした小さいながらも躍動感のあるカッコイイ四天王が、蛍光灯に煌々と照らされています。お蔭で美しい彩色の隅々まで見ることができて幸せすぎ

次は木津川の流れに沿って北上し蟹満寺へ。こちらは『今昔物語』にある ’蟹の恩返し’ の物語で知られる小さなお寺。2010年に建て直されたピカピカの本堂には、ご本尊で国宝の釈迦如来座像が。白鳳時代に造られた丈六の金銅仏で、堂々たるお姿です。飛鳥大仏とお顔がちょっと似てますよね。

蟹満寺蟹満寺

その次は拝観の予約をしていた寿宝寺へ。天武天皇の時代に創建されたと伝わるお寺で、平成に入ってから改築されています。こちらの重文・十一面千手千眼観音立像は平安後期に造られたもので、実際に千本の手を持つ珍しい千手観音。

寿宝寺

目・眉・ひげに墨、口に朱が塗られたお顔は、明るい陽の光の下では見開いた目とキッと結ばれた口元が厳しい表情をつくり、柔らかな月明かりの下では穏やかな慈悲の表情へと一変。観音堂の扉を開けたり閉めたりしながら再現されると、居合わせた一同皆驚き感動しました。

そこから少し西に向かい観音寺へ。天武天皇の勅願により義淵僧正が創建。元は諸堂13、僧坊20余を数える筒城の大寺と呼ばれる興福寺の別院だったとか。今は田園風景の中にポツンと本堂が残るのみ。

観音寺観音寺

こちらのご本尊は、全国に7体しかない国宝の十一面観音立像のひとつで、天平時代を代表する美仏。ふっくらした頬にほっそりとくびれた体躯が若々しい印象です。所々に残る金箔が、控えめな輝きを添えています。

そして、最後は酬恩庵 一休寺へ。鎌倉時代に臨済宗の高僧大應国師が妙勝寺として創建。のちに一休禅師が再興し酬恩庵と命名したという、とんちの一休さんのお寺です。総門をくぐると、モミジが色づき始めていました。

一休寺
 一休寺 一休寺
 一休寺 一休寺一休寺

見どころは方丈の襖絵(複製)と方丈庭園、それに重文の一休禅師木像と頂相でしょうか。秋の特別拝観期間中なので茶室虎丘庵と浴室も拝観。宝物殿では『原在中と江戸の一休寺展』も開催中。広い境内は手入れの行き届いた緑が美しく、南山城というより洛中のお寺のような風情ですね。

帰りは京滋バイパスから名神高速で吹田まで。無事予定通りに終了。

南山城十一面観音巡礼 ← 麗しい仏様がたです

・金曜日 京都秋の特別公開 西本願寺 飛雲閣 & 霞中庵

拝観予約が取りにくい西本願寺の飛雲閣が、この秋特別公開されているというので京都へ。秀吉が建てた聚楽第の一部ともいわれる三層杮葺きの楼閣建築は、金閣・銀閣とともに京都三名閣のひとつ。滴翠園や旧仏飯所、同時に公開されていた書院や経蔵も拝観。

西本願寺西本願寺唐門
西本願寺飛雲閣西本願寺書院西本願寺経堂
      パンフレットより
とにかく人が多くてそれも団体なので、さすがの私も閉口。雰囲気を味わうには、あまりにも喧し過ぎました 書院の障壁画や天井画、それに欄間の彫刻が精緻で華麗。桃山文化を伝えているけれど、さていつ頃の作でしょうか!?

次に嵯峨方面に移動。近代日本画壇の重鎮・竹内栖鳳の別邸、霞中庵へ。以前は拝観不可で荒れていたような記憶が。ところが驚いたことに、いつの間にか京都市内にあるドール会社の会員制施設・天使の里として利用されていました。

霞中庵霞中庵
霞中庵
霞中庵霞中庵霞中庵

この秋は見学日限定で一般にも公開。紅葉の始まった美しい回遊式庭園を巡りながら、茅葺屋根の画室・霞中庵や瀟洒な書院を眺めます。かつて栖鳳は、向こうからこのお庭を眺めながら画業に励んだのでしょうか。繊細で柔らかな風が吹く、和みの空間です。

この日はちょっと早めに帰途に。霞中庵が堪能でき、それだけでも十分に満足な1日でした。


とりあえず備忘録として長々とまとめ書きしたこの記事を、最後まで読んでくださった方に感謝。ハードな一週間でした

| 関西のたからもん | 00:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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赤目四十八滝 ~ 屏風岩公苑 ~ 曽爾高原

7時過ぎに千里を出発、車を飛ばし2時間かけて赤目四十八滝へ。途中名阪国道のインターを降り損ねて行き過ぎたせいで、車一台通るのがやっとのくねくねした山道を延々と走るはめに 看板を見つけてホッ

駐車場に車を停めて予約していたお弁当を受け取り歩きだすと、少し上の世代のグループから「山ガールよ」と言われて(!?)気を良くしながら 入口の日本サンショウウオセンターを通って遊歩道に出ます。そう、今日は装備もバッチリで、後ろ姿は山ガールもどき

こちらは、役の小角(えんのおづぬ)が滝に向かって行をしていると、不動明王が赤い目の牛に乗って現れたという伝説から赤目と呼ばれるようになったそうで、『四十八』とは数が多いことを意味するのだとか。

まず最初に見えるのが小さな行者滝、次に霊蛇滝。木漏れ日が水面を照らしてキラキラと光っています。赤目牛を撫で撫でしたら、ほどなく赤目五瀑の一つ、不動滝に到着。岩と緑に囲まれ、白い水しぶきとエメラルドグリーンの滝壺が美しい滝です。全身にマイナスイオンを浴びて深呼吸。

行者滝霊蛇滝
赤目牛赤目四十八滝

ここからは階段もあり道幅も狭くなってきて、川辺には大きな岩がゴロゴロ。平らな岩の間を水がやさしく流れる乙女滝に八畳岩、そして赤目五瀑の一つ、千手滝、布曳滝へと続きます。

乙女滝千手滝
布曳滝八畳岩

ちょっと怖い急な階段を上って布曳滝を上から見下ろし竜ヶ壺、陰陽滝と進み、百畳岩に到着。ここまで景色を楽しみながら歩いて1時間半ちかく。今日はここから七色岩を眺めて引き返します。不動滝まで戻ったところで、お弁当を広げランチタイム。お昼前になると急に人が増えてきました。

竜ヶ壺陰陽滝
七色岩赤目四十八滝

次は曽爾高原を目指します。カーナビを信じて、またもくねくねの狭い山道へ 対向車の来ないことを祈りながら、ひたすら走ります。ようやく山道を抜けた時、見えてきた鎧岳が圧倒される奇観で、すぐさま予定を変更して車をUターンさせ、屏風岩公苑へ向かうことに。

鎧岳

看板だけを頼りに、どんどん山道を上がっていきます。かなりの傾斜です。ようやく辿り着いた先には、間近に屏風岩の切り立った断崖が迫っていました。

屏風岩


そしていよいよ最後の目的地、曽爾高原へ。駐車場にもすんなり入れて、時刻は3時前。車を降りて階段を上がっていくと、突然視界がひらけて目の前にムーミン谷が… なだらかな斜面を覆ったススキが、陽を浴びて黄金色に輝きながら秋風に穂先を揺らしています。

曽爾高原曽爾高原

ゆっくりと亀山に向かって遊歩道を上がっていくと、一歩ごとに心が解けて、どんどん気持ちが軽くなっていくのがわかりました。何だか下りるのが勿体無いような開放的な景色です。しばし風の音に耳を傾けます。

曽爾高原曽爾高原

亀山峠からお亀池の方に下りた頃には、日が沈むのを待つ人たちで一杯でした。絶好の夕景ポイントにはカメラの三脚がズラリ。断りを入れて、隙間からちょこっと写させてもらいます。

曽爾高原
曽爾高原6曽爾高原

この日は残念ながらあと少しのところで雲がかかって、山に沈む赤い夕日を見ることはできませんでした。でも皆さん急いで帰る様子がないのは、『山灯り』を待っているからでしょうか。真っ暗な山道を走るのはイヤなので、とにかく少しでも明るさの残るうちに国道に出て、来た時と同じ名阪国道経由で無事帰宅。本日も盛り沢山な1日でした。

| ◇奈良 | 21:15 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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東京 美術館・博物館めぐり

久し振りに千葉に住む叔母夫婦のもとへ。5日間の滞在中、2日間は東京在住の友人の好意に甘え案内をお願いし、都内の美術館・博物館を訪ねました。

・三井記念美術館 特別展「東山御物の美 ―足利将軍家の至宝―」

一日目最初に向かったのは、日本橋・三越本店の道を挟んで北側にある、レトロで重厚しかも重要文化財という三井本館。隣接する日本橋三井タワー1階の入口からエレベーターで7階の美術館へ。

三井記念美術館

平成17年に開設されたということですが、格調高いクラシックな雰囲気がとっても素敵で、さすがに贅沢な造り。どことなく観る側にも品格を求めるような緊張感が漂い、襟を正して観覧します。

足利義満らが収集したという飛び切りの唐物がズラリと並んでいます。煌びやかさや華やかさの手前の、抑え目な落ち着いた渋みが感じられます。京博で『遠浦帰帆図』を見たばかりの牧谿の作品も数点。雪舟や長谷川等伯らにも影響を与えたと聞いています。

この日のランチは、同じ日本橋三井タワーの38階にあるマンダリンホテルのイタリアンレストランへ。ここからの眺望もご馳走でした。

三井記念美術館

・東京国立博物館 日本美術(本館)

午後からは上野に移動。春一番のお花見で有名な上野公園を歩いていくと、噴水の向こうにトーハクが見えてきました。この辺りに来るのは初めてです。

東京国立博物館東京国立博物館

今回はボランティアによる40分の本館ハイライトツアーに参加。同じ博物館ボランティアがどんな活動をしているのか興味津々。ツアーは各分野の作品6点をボランティアが交代で丁寧に解説するというもの。ほとんどがシニア世代で慣れた様子でした。関西人としては、淡々としすぎてちょっと物足りない気も。

とにかくトーハクは広い! 本館だけでも1階と2階をまわると、2、3時間があっという間。まったく全容がつかめません これまで京都や奈良で観たことのある作品も結構含まれていたからというわけではないけれど、こちらに比べ、京博の平成知新館オープン記念展「京へのいざない」の充実振りは、やっぱりすごいと改めて感じました。(←かなり身びいき!?)

・山種美術館 特別展「輝ける金と銀 ―琳派から加山又造まで―」

二日目は恵比寿から。駒沢通りの緩やかな坂を上がっていくと、山種美術館~青山の根津美術館~六本木の国立新美術館が一つの道で繋がっているのだとか。これを美術館通りと言うそうで、周辺にはサントリー美術館や森美術館など。この辺り、地名だけでもアーバンすぎて田舎者には眩しく感じます

山種美術館

こちらは、近代日本画の珠玉のような名品や琳派などの近世日本画のコレクションが、私を惹きつけてやまない美術館です。特に、経営破綻した安宅産業から一括購入したという速水御舟コレクションは、他に類をみない素晴らしさ。

しかも展覧会タイトルが、あまりにも私にジャストミートな「金と銀」 近代・現代の画家たちが、独創的に金銀を使って新しい息吹をもたらした作品の数々が展示されていました。

俵屋宗達や岩佐又兵衛、酒井抱一は、いつも通り素晴らしい。でも今回一番のお目当ては、速水御舟の『名樹散椿』。苔山で色とりどりに大輪の花を咲かせる椿の大木が、一見琳派のように描かれた二曲一双の屏風絵です。この背景が、金砂子を敷き詰める ’撒きつぶし’ という技法による金地。

それは金箔の箔足もなく、金泥の刷毛むらもない、均一で奥行きのある金。すかさずギャラリースコープを覗いてみれば、確かに表面は細かな金の粒が重なり合いザラザラとして光を拡散しています。

他に、絹地の裏から金箔を貼る ’裏箔’ でほの明るい湿潤な空気感を表現した横山大観の『竹』や、様々な金を使い分け金泥を絵具として使った初めての作品といわれる川端龍子の『草の実』なども印象に残りました。

作品に用いられた金銀の技法を再現した見本も大変興味深く、立ち去り難い思いで美術館をあとに。

山種美術館

・根津美術館 新創開館5周年記念特別展「名画を切り、名器を継ぐ」

美術館通りを表参道に向かって歩いていくと、竹の生垣が見えてきました。竹の壁と生垣に囲まれた長いアプローチを通って玄関へ。

根津美術館根津美術館

中に入ってみると思った以上の規模で、それに広い庭園まで。分野ごとのコレクションも充実していて、ちょっとビックリ。私立としては、間違いなくトップクラスの美術館でしょうね。場所柄なのか外国の方がかなり多いです。

根津美術館根津美術館根津美術館

この日ランチは、庭園内にあるNEZUCAFEへ。次々と外国の方がグループで入ってこられてすぐ満席に。食事の後は、庭園を散策。あらま、こんな一等地にあって緑が深く、これだけの風情は贅沢の極み。本当に驚きです。

時間をかけてゆったり観てまわりたいところですが、この日もあっという間に帰る時間。ホントに名残惜しく、来年の再訪を誓いました。

根津美術館


2日間付き合ってくれた友人に感謝です。体調の悪かった目の不自由な叔母も、義叔父の献身的な支えにより意外と元気で一安心。この5日間は食も進んで、私も嬉しかったです。帰り際、これが最後と泣かれるのが辛くて、来年の春にはまた来るからねと言い残し、千葉をあとにしました。

| ◆その他 | 23:15 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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立花隆氏 講演会 『がんと どう向き合うか』

先月19日(日)にメイシアターホールで、吹田ホスピス市民塾が主催する講演会がありました。当日は抜けるような青空が広がる行楽日和。そのせいか会場は前回より空席がチラホラ。

今回の講演者は、私たち世代以上には知名度の高い立花隆氏。のちにロッキード事件へと至る、月刊誌・文藝春秋に掲載された「田中角栄研究~その金脈と人脈」で一躍名を馳せたジャーナリストの立花氏も、当時のアクの強さは今では影をひそめて、すでに70代半ばという老齢の域。

ご自身ががんに罹患したことをきっかけに、NHKスペシャル「がん 生と死の謎に挑む」に関わり、世界のがん研究・治療の最前線を取材した経験から『がんと どう向き合うか』というテーマで、がんとは何か・近藤理論(近藤誠氏による放置療法)についての考察・死と向き合い受け入れる境地・緩和ケアの意義など、筑紫哲也氏との交流なども交えて講演が進められました。

これまでもがんに関する講演会には度々出掛けているので、それほど目新しい内容ではないけれど、安穏とした暮らしの中で忘れていた危機感を目覚めさせる一面があったことは確かです。さすがにジャーナリストだと感じるインパクトのある鋭い言葉が印象的でした。

人間はがんから逃れられない。生きること自体が、がんを育てている。
生きるということが、がん化への道。がんにならない唯一の方法は死ぬこと。


この現実を潔く受け止めて、死に向かう覚悟は必要かなと思いました。

| より良く生きるための情報 | 14:11 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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