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待宵草の薄暮日記

今は趣味三昧の気ままなひとり暮らし。 覚悟をもって毅然と、でも時には誰かのために熱くなる、そんな日々の徒然を綴っています。

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~奇跡の歌声に乗せて愛と生きる力をあなたに~

そこは、優しさと称賛で満ちていました。想像を絶する苦難を乗り越えてステージに立つ一人のテノール歌手に、皆立ち上がり惜しみない拍手を送っています。

甲状腺がんで声帯および横隔膜の神経を切断、右肺の機能も失いながらも、世界的な権威である京大一色信彦名誉教授の手術を受け、厳しいリハビリを経て、声帯機能を回復したというのは、医学の常識を超えた奇跡。ベー・チェチョルさんは、一曲ごとにこみ上げる想いをこらえながら、時々そっと目頭を押さえ、そうして深く寄り添うようなピアノの音色に合わせて歌い上げるのでした。

『100年に一人のテノール』と称され、ヨーロッパの主要歌劇場で主役を演じて高い評価を得ていた栄光から一転、甲状腺がんにより声を失うという奈落へ。そんなとき、親友の音楽プロデューサー・輪嶋東太郎さんが手を差し伸べ、数々の奇跡が重なり復活を遂げたということです。

4月21日、ザ・シンフォニーホールで開催されたこのコンサートは、その復活にいたく感動された聖路加国際病院の名誉院長である日野原重明先生のプロデュース。こちらも、103歳でお変わりない現役続行中という奇跡。深いお話、心に刻みました。

これは、ただのコンサートではありません。ベー・チェチョルさんの歌声を通して聞こえてくるのは人間賛歌です。そして奇跡を起こした目に見えないものへの感謝です。拍手しながら、熱いものがこみ上げてきます。今日は、この涙を大事に家に持ち帰ろう…そう思いました。

ベー・チェチョル コンサート

ベー・チェチョルさんの物語は、昨秋映画になって公開されていたようですが見逃しています。それがこの夏、同じホールで第2弾として、映画上映&日野原先生のお話&ミニ(たぶん)コンサート&執刀された京大の一色先生のお話という豪華プログラムで開催されるそうです。

・8月4日(火)14:00~ 全席指定で¥5,500
・チケットの一般発売は5/25から開始

映画『ザ・テノール 真実の物語』 → コチラ
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| クラシック | 00:54 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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第143回 都をどり

「えーっ、観に行ったことないの!?」って、ずっと言われ続けてきた、都をどり。小さい頃、家に何枚かあった串だんご模様のお皿が、都をどりで貰ってきたものと知ったのは大人になってから。しかもそのお皿、年々増えていたような… でも私、一度も連れて行ってもらったことありませんっ

今年友人が予約してくれて、初めての都をどりは何と左側花道横の座席 これは期待できそうと、朱色のぼんぼりが賑やかな四条通りを曲がり、花見小路通りのアーチをくぐって、1時間前には祇園甲部歌舞練場へ。華やいだ雰囲気に気分が盛り上がります。

都をどり

12時半からの第1回公演が始まるまでにお茶席へ。今年舞妓さんたちが着る衣裳や帯、芸舞妓さんらのお稽古の成果である様々な作品を見た後、風情のある庭園を散策しお待合にいると、ほどなくお茶席に案内されました。椅子席の前方には、お点前をされる芸妓さんとお控えの舞妓さんが

都をどり都をどり
都をどり都をどり

都をどり
都をどり都をどり

輝くような艶やかさの中にも凛とした気品がありますね。すっかり見惚れてしまって、お茶もお菓子もうわの空。ですが、記念品の団子皿は半紙に包んでしっかりバッグにしまいます。

これまでの都をどりで使われたという衣裳がズラリと展示されている2階の一角からお庭を眺めた後、ロビーへ。そして時間がくると扉が開けられ、いよいよ劇場内に入ります。なかなか凝った造りで、大き過ぎずそれほど窮屈感もなく程好い感じ。何しろ花道の真横ですから文句のつけようがありません!

「都をどりはー よ~いやさー」と聞こえたかと思ったら、青い着物に朱色の帯の舞妓さんと芸妓さんが花道を埋め尽くしました。おお、何という圧倒される華やかさ その奥にはお囃子の芸・舞妓さんらが。踊りも音色も次々替わる舞台背景も、すべてが雅やかです

今年は花都琳派染模様と題し、第一景から第八景まで、春に始まり夏・秋・冬と巡り、再び目の覚めるような桜満開の春を迎えるノンストップの1時間、息つく暇もありません。お人形のように美しい芸・舞妓さんが、京舞・井上流を格調高くキリリと舞う姿にうっとりしていると、あっという間に終了。

あー楽しかった 何故もっと早くに観に来なかったのかと悔やむことしきり。京都・五花街が春や秋に開催するそれぞれの流派の公演を、これからひとつずつ観に行こうと心に決めたのでした。

◎『都をどり』を覗いてみる → コチラ

| ◇京都 | 21:00 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

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京都お花見 最終章

ソメイヨシノが花びらを散らす頃、遅咲きの桜を追いかけて、よもやの2日連続、怒涛のお花見へ。

まず1日目、天候は晴れ時々曇り。9時前に四条で待ち合わせ、原谷苑と呼ばれる洛北原谷にある村岩農園内のさくら園へ。そこは、満開の見ごろを迎えた八重ベニシダレが天上から降り注ぐように咲き誇り、地上ではユキヤナギやヤマブキ、ツツジやボケなどが色とりどりに咲き乱れて、まさに百花繚乱。まるで天国にさまよい出たかのようで、驚嘆のあまり言葉を失います。

原谷苑
原谷苑
原谷苑原谷苑 原谷苑

しばし夢うつつの境地。11時近くドッと混み始めたのを機に、次に旧御室御所と呼ばれる世界遺産・仁和寺へと向かいます。仁王門から中門、その奥にある金堂へと続く広々とした参道は『浄心の道』。俗世の迷いを捨て清らかな心持ちになりたいところですが、あいにくお花見客で賑やか過ぎ。

 仁和寺仁和寺仁和寺

先に御殿を拝観。渡り廊下を巡りながら、宸殿や書院の襖絵や贅を凝らしたしつらえや、借景を生かしたお庭を味わいます。そしていよいよ中門をくぐると左手に、白い雲が降りてきたかのような御室桜が満開でした。

仁和寺
仁和寺仁和寺仁和寺
仁和寺仁和寺

桜の間に渡されたスノコの道をゆっくり歩くと、ほんのりといい香りが漂っています。雲海のような桜の園から五重塔を望む景色は独特ですね。境内はシダレザクラやミツバツツジが彩りを添え華やか。

北大路界隈でランチのあと、15時から修学院離宮へ。こちらは、後水尾上皇の造営による松並木の道でつながれた上・中・下の三つの離宮からなる広大な山荘です。特に京都の山並みや市街を見渡し浴龍池を眼下に見る、上離宮からの眺めは目を見張る素晴らしさ。何度も訪れているので案内人の後ろに付かず離れず、のんびり楽しみます。時間通り1時間半で参観終了。
修学院離宮
修学院離宮修学院離宮
修学院離宮修学院離宮

さて2日目は、朝からシトシトと雨。中止かと思いきや、「雨もまた風情があっていいね」と友人でツワモノのアウトドアファミリーがのたまい、まさかのお花見決行。7時半に千里集合、京都・桂に向かいます。

まず中村軒でおやつ用に出来立ての草餅を買ってから桂離宮へ。こちらは後陽成天皇の弟・八条宮初代智仁親王により、王朝の美を凝縮して創建された別荘。9時から参観スタート。しっとりした空気を吸いながら、足元に気を付けて池の周りを巡り、様々な建物や趣向を凝らした庭園を眺めます。案内人が違えば、また新たな発見もあったりして面白いですね。

桂離宮桂離宮
桂離宮 桂離宮
桂離宮桂離宮桂離宮

1時間の参観終了後、急いで向かったのは、またもや原谷苑。そのあと、仁和寺。雨だというのに、どこも結構な人出。桜の花が雨に濡れてちょっと重たげです。

原谷苑原谷苑仁和寺

この日は北山界隈で京野菜のランチをゆっくりと。そして最後に向かったのは、相国寺内にある承天閣美術館。4日から『伊藤若冲と琳派の世界』展開催中。立派な展示室ですが、靴を脱いで上がるというだけでどこかリラックスできます。

承天閣美術館

常設の鹿苑寺大書院旧障壁画とともに目を引いたのは、同じく伊藤若冲・六曲一双の『群鶏蔬菜図押絵貼屏風』。まるで今描いたばかりのようにシミひとつない白い紙本に美しい墨の跡! とても200年以上前の作品とは思えないのは何故でしょう。

雨の中、2日目も無事終了。名残の桜に酔いしれた2日間でした。

| ◇京都 | 23:45 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

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ひとりで巡る 京都隠れ桜

「今シーズンお花見するなら今日しかない」などと、朝からラジオやTVで言うものだから、2日の木曜日は午前中にバタバタと用事を済ませて、お昼から京都へ。幸い名神高速もスイスイ、京都南ICでちょっと渋滞するのはいつも通り。

この日は、お花より人に酔いそうな東山あたりを避けて、京都御所の北西・西陣に。洛中の寺院でひっそり咲く桜を巡ります。まず最初に前から行きたかった妙蓮寺へ。境内に車を停めると、ソメイヨシノや10月前後から咲き始める(!)という御会式桜(おえしきざくら)が満開。

妙満寺妙満寺
妙満寺妙満寺妙満寺

こちらは、日像上人を開基とする本門法華宗の大本山とのこと。嬉しいことに、7日まで琳派400年にちなんだ春季特別展を開催中。なのに何ということでしょう、書院や宝物殿で目を見張るような長谷川等伯一派の襖絵や屏風絵、本阿弥光悦の書をひとり占めできるなんて!

金地に緑青を何度も塗り重ね青々と深みのある松や鉾杉に、桜が胡粉を盛り上げるように描かれた『松桜の図』と『鋒杉の図』は、大胆な構図で絢爛豪華。等伯の次男・宗宅の『吉野桜図屏風』の桜は優雅で繊細。

鋒杉の図1
松桜の図1
                                        2枚続きの絵葉書より
光悦の書はこれまで何度も見ているし、京博ナビゲーター当番日にもレファレンスコーナーにあるデジタル絵巻『鶴図下絵和歌巻』で毎月見ているのに、この日は突然何かが降りてきて『立正安国論』が輝きながら舞うように見えて驚きました。それはまるで3D画像を見ているようで不思議な体験。

次に向かったのは、堀川通を挟んですぐの妙顕寺。桜の頃に来るのは初めてです。特別公開期間が終了し、境内のみ散策。本堂奥に咲く桜が、静かに満開を迎えていました。

妙顕寺妙顕寺
妙顕寺妙顕寺
妙顕寺

そして次は本法寺へ。先月’京の冬の旅’の特別公開で拝観したばかりなので、こちらも境内のみ散策。満開の桜が伽藍に華やかさを添えています。

本法寺本法寺

本法寺

この後、近くの水火天満宮に行こうとしたら今年は花付きが良くないということなので、次は出町柳の駐車場に車を停めて、定番の御所・近衛邸跡でお花見を。糸桜は盛りを過ぎ、紅シダレとヤマザクラが満開、車返しの桜も見頃。人が多いとはいえ、とにかく広いのでそれほど気にならないのがこちらの良いところ。

御所御所2御所
御所

賀茂川近くの本満寺にも立ち寄ってみましたが、時すでに遅く立派なシダレ桜は見事に散っていました

そして最後は、賀茂川の河原をそぞろ歩いて京都ならではの景観を楽しみます。川沿いのソメイヨシノはどれも満開。時折吹く風に花びらを散らしています。

賀茂川

賀茂川

のびやかな空気を一杯吸って、今年の桜を満喫。何度も振り返りながら、夕暮れの近づく賀茂川を後にしました。

| ◇京都 | 00:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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明日香 桜ウォーキング

桜の開花宣言に心浮き立ち あれこれお花見の計画を立てているのに、無情にも天気予報にずらりと並んだ傘マーク 貴重な晴れマークの火曜日は予定を前倒しにして奈良・明日香へ。

朝8時半に千里を車で出発すると、小1時間で甘樫丘(あまがしのおか)の川原駐車場に到着。UVカットの帽子・サングラス・ネックカバー兼フェイスカバー・手袋で身支度を整えたら、いざスタート。かなり怪しいいでたちですが、この時期紫外線は大敵ですから気を抜かずしっかりガードしなくては。

去年の春、初めて明日香をぐるりと歩いてすっかり気に入ってしまいました。低くなだらかな山並みに包み込まれるような山里は、そこここに歴史の証を残しながら、緑の田畑と優しい春の花々に彩られ、のどかでホッとする懐かしさ。有名な割に人が少ないのも魅力のひとつです。

甘樫丘甘樫丘

今回のコースもほぼ去年と同じ。甘樫丘の遊歩道入口にある菜の花畑を見てから展望台まで登ります。こちらは、蘇我蝦夷・入鹿親子の邸宅があったという標高148mの丘陵。万葉集にちなんだ植物が植えられきれいに整備されています。何といっても山頂の展望台からの眺めが格別、桜も見ごろを迎えていました。

甘樫丘甘樫丘
甘樫丘甘樫丘

次に丘を下って、蘇我馬子が建立したという日本最古のお寺・飛鳥寺へ。元は広大な敷地に伽藍が立ち並ぶ大寺院だったということですが、現在はひっそりとした佇まい。こちらにお祀りされているのが、飛鳥大仏と呼ばれる釈迦如来座像。渡来人の末裔・仏師の鞍作止利(くらつくりのとり)作という特徴がよく表れていて、面長なお顔に大きな杏仁型の目、口もとにはわずかに笑みを浮かべた微妙な表情。

飛鳥寺
飛鳥寺飛鳥寺

現存する日本最古の仏像とありますが、落雷で火災に遭い、お顔に傷があったり、その後かなりの部分を補修されているせいでしょうか、何の指定も受けてないのですね。撮影もOKという気安さですが、村人が大切に守っておられるとのこと。こういうフレーズに弱いです。

この後、ちょっと早めのランチを万葉文化館のパンカフェ・Sizin(しじん)で。ゆったりくつろげる店内は、窓から万葉庭園が見渡せて明るく開放的。天然酵母のパンも美味しくてお気に入りだけど、おかわりはカロリーが気になる!?

ランチの後は、岡寺方面から石舞台古墳へ。2度目だからと適当に地図を見ながらおしゃべりしていたら、何度も道を間違えて行ったり来たり ようやく見覚えのある道に出て石舞台古墳に到着。周辺の桜は満開まであと少し、菜の花も開花し始めたばかりでした。

岡寺
明日香明日香明日香
石舞台古墳

玉藻橋を渡って木陰を歩き、聖徳太子生誕の地という橘寺方面へ。ここから甘樫丘へと続く飛鳥川沿いにひっそりと咲く桜が見事です。毎年こんな桜を見ながら育つ子供らは、たとえ故郷を離れる日が来ても桜が咲くたびに明日香を思い出すのだろうか、ふとそんなことを思いつつ桜に見送られて駐車場に戻ります。

飛鳥川の桜

京都もソメイヨシノが満開とか。多くの人の予定を狂わせながら、こうして足早に春は立ち去って行くのですね・・・

| ◇奈良 | 01:13 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

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