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待宵草の薄暮日記

今は趣味三昧の気ままなひとり暮らし。 覚悟をもって毅然と、でも時には誰かのために熱くなる、そんな日々の徒然を綴っています。

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惜春の情景

季節の移ろいをけだるくやり過ごすうち、早梅雨入り。この春の書き残しなどいくつかを記します。

京都島原・角屋  太夫のお点前鑑賞会

島原は遊郭に非ず、大夫は花魁に非ずと、その格式ある文化を伝える角屋さんは、江戸期に隆盛を極めた揚屋(置屋から太夫を派遣してもらう料亭)で、現在は角屋おもてなしの文化美術館として営業されています。

春の宵に、『松の間』の大座敷で、両脇に禿(かむろ)を従えたそれはそれは雅やかな太夫の流れるようなお点前を、一同息を詰めて見つめていました。運ばれたお菓子とお茶をいただきます。目を移せば、お庭には臥龍松と妖しく浮かび上がる艶やかな満開の桜。

角屋 太夫のお点前鑑賞会角屋 太夫のお点前鑑賞会

一言も発せず、凛とした空気を残して控えの間に大夫が退きます。この後、順番に2階を見学。贅を尽くし意匠を凝らしたお部屋の数々にため息。特に『青貝の間』から眺める桜があまりに幻想的で、忘れられない景色となりました。

桃山時代の狩野派 永徳の後継者たち

京都国立博物館の明治古都館で開催された特別展覧会は、時の権力者たちが競うように狩野派の絵師たちに描かせた眩いばかりの金碧障屏画がズラリと立ち並び壮観でした。狩野派を一大絵師集団に育て上げた永徳の没後、激動の時代の中で一門の絵師たちがいかに生き何を残したかというドラマチックな筋立てで展開。

桃山時代の狩野派 永徳の後継者たち

少し離れ視線低めにまずは全体を眺めて、その大胆な構図と色遣いをじっくり味わいます。そして近づき目を凝らし、時々単眼鏡を覗いて隅々を鑑賞。細かな表現に感嘆しつつ、剥落やシミ・カビまでも堪能します。展示数が多い上に描かれている面積も広いので、出口が見えるころにはフラフラ。

近世の日本画好きには垂涎の展示ながら、一般には狩野派と一括りにされてしまいそうなものを、時代背景とともにどのように変貌を遂げたかという違いに興味を持って最後まで楽しんでもらえたか、京博ナビゲーターとしてはちょっと気になるところです。

長谷寺の牡丹

GWの中日、朝から一人車を飛ばして奈良へ。見ごろ真っ只中で絶好のお天気ゆえ混雑覚悟、かなり手前で車を停めて参道を歩き始めるも、なぜか人影見当たらず。確か時刻は9時少し過ぎ。両側の土産物店もシャッターが閉まったまま。

長谷寺長谷寺長谷寺

こんなこともあるんだと驚きながら長谷寺に到着。そして長い登廊から圧巻の牡丹を眺めます。大輪のお花から漂うは、うっとりする高貴な初めての香り。

長谷寺 牡丹長谷寺 牡丹
長谷寺 牡丹長谷寺 牡丹長谷寺 牡丹
長谷寺 牡丹長谷寺 牡丹長谷寺 しゃくなげ

本堂でご本尊・十一面観世音菩薩像に手を合わせ、五重塔や本坊を巡ります。

長谷寺長谷寺長谷寺

奈良漬と草もちをお土産に。帰りは久し振りに三輪そうめん山本に立ち寄って、今シーズン初めてのお素麺を。湯がき具合が絶妙で流石です。

法隆寺 夢殿本尊 特別開扉 & 霊山寺のばら庭園

法隆寺を初めて訪れたのは、忘れもしない小学5年生春の遠足。飛鳥時代に聖徳太子が建立した世界最古といわれる木造建築がとてつもなく大きく見えました。あれから何度か訪ねているのに、じっくり仏像を拝観した記憶がなくて今回は仏像中心に参拝。

法隆寺

まるで一幅の絵のような南大門からの景色にしばし佇み、遥か古に想いを馳せます。しかし足を一歩踏み入れると、そこは遠足や修学旅行のメッカ、既にかわいい先客で溢れて賑やかなこと。

法隆寺法隆寺

とにかく広い境内を、まず西院伽藍から。金堂では、渡来人の末裔で仏師の鞍作止利(くらつくりのとり)作と伝わる、実に不思議なアルカイックスマイルを浮かべた釈迦三尊像を納得いくまで拝観、そして五重塔・大講堂と進み、ズラリと仏像が安置された大宝蔵院では人の少ないのをいいことに好き勝手に仏像鑑賞。スレンダーでちょっと憂いのある百済観音像も拝観。

 法隆寺法隆寺

その後、団体に混じって東院伽藍へ向かい、この日最大のお目当て、夢殿の秘仏・救世観世音像を拝観。聖徳太子を等身大で写したと伝わるご本尊は、笑みを浮かべておられるようでもあり、ちょっと不気味とも言えなくはない微妙な表情が心の中を見透かすようで神秘的です。

どこに行っても国宝・重文のオンパレード、とても見尽くせません。ここまでで既に3時間近く経過、ガス欠で疲れました。近くの平宗でランチの後は、富雄川沿いを北に向かい霊山寺へ。

霊山寺霊山寺
霊山寺霊山寺霊山寺
霊山寺霊山寺

お寺に意外なばら庭園ですが有名ですね。もう少しで見ごろというところでしょうか。最後に富雄のみやけに寄って、頭がキーンとしない真綿のような絶品のかき氷・いちごミルクを味わってから帰路に。

京都・美山かやぶきの里 一斉放水

重要伝統的建造物群保存地区の北村で、春秋の年に二回、全戸に設置された放水銃の点検のため、わずか5分間だけ行われる一斉放水を見学に。そこは昔話に出てくるような日本の原風景が広がる小さな山村。きっと普段は静かであろう集落が、この日ばかりはとんでもない数の観光客で埋め尽くされます。

2時間以上前には到着。何とか駐車場に車を潜り込ませたら、集落をぶらぶら歩いて一周。そして1時間前には全体を見渡せる田んぼ横の通路に陣取ります。

美山かやぶきの里
美山かやぶきの里美山かやぶきの里美山かやぶきの里

今年は7分間の放水と事前アナウンスがあり、やがて1時半になると、サイレンの音を合図に一斉に放水が始まりました。視線は、弧を描きながら高く吹き上げる水柱と、カメラの液晶モニターを忙しく行ったり来たり。

無我夢中の7分がサイレンの音とともにアッという間に終了。何だか急に空気の抜けた風船みたいになってしまいました。

堀 文子 【一所不住・旅】展

『ただ一度の一生を美にひれ伏す』 というサブタイトルにしびれました。雑誌の対談記事を読んだぐらいでしたが、とにかくこの目で作品を観なくてはと兵庫県立美術館へ。

何という潔い凛とした、力強くもたおやかな絵でしょうか。画業80年にして、今なお新しい創作に挑戦する日本画家・堀文子氏は、その革新的で自由な生き方と心に響くきっぱりとした言葉で、多くの女性を魅了しているようです。

堀 文子


独特の色遣いがおしゃれで知性的。絵本原画には思わず目を細めてしまいました。こんな絵本を見て育つ子供らはどんな大人になるのだろうと想像せずにはいられません。
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| 関西のたからもん | 23:23 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

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